石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

ブナの木(ビーチ材・ブナ材)の特徴とは?経年変化やオーク材との違いを解説

投稿日:2023.10.11/更新日:2023.10.11

ブナの木は青森県白神山地を中心に日本全国に自生しており、家具や内装材などさまざまな用途に活用されてきました。

 

また、海外では「ビーチ」ともよばれ、これらを加工した木材はブナ材ビーチ材という名称で販売されています。

 

本記事では、ブナ材やビーチ材にはどういった特徴があるのか、木材としての強みを活かした主な使用用途や、オーク材との違いも解説します。

 

ブナの木(ブナ材・ビーチ材)とは?

ブナは北海道南部から九州まで全国に幅広く自生している落葉広葉樹です。

 

日本国内ではブナという名称で古くから親しまれていますが、海外では「ビーチ」という名称が一般的です。そのため、国産の木材はブナ材、海外産のものはビーチ材とよばれ区別されていますが、名称は異なっていても同じ樹木が原料となっています。

 

ブナにもさまざまな種類があり、その数は120種にもおよぶとされています。日本のブナは樹皮が白っぽい色をしており独特の模様が見られ、葉の断面は波を打ったように凹凸があります。

 

また、ブナは高さ30m以上の大木に成長することも多く、その雄大な姿から「森の女王」の異名ももちます。

 

日本では鎌倉時代の頃から漆器の原料として用いられてきた歴史があり、その後も工芸品の生産には欠かせない木材でした。

オーク材との違い

ブナ材やビーチ材と似た特徴をもつ木材にオーク材があります。

 

日本ではナラの木として親しまれていますが、北米を中心とした海外ではオークともよばれます。オークは比較的温暖な環境下で育つため、ブナやビーチに比べると生育スピードが早いという特徴があります。

 

木材として両者を比較した場合には、オーク材もブナ材と同様に耐久性に優れ、曲げに強いという特性が共通しています。しかし一方で、木目や風合いには大きな違いが見られます。

 

オーク材は木目の幅が大きく、輪郭そのものも明瞭であるという特徴があります。これに対しブナ材やビーチ材は、全体的に白っぽく上品な色をしており、木目もほとんど目立ちません。

 

>>オーク材とはどんな木材?特徴やメリット、使われる家具を紹介

 

ブナ材・ビーチ材の特徴やメリット

国産材であるブナ材および外国産のビーチ材にはどのような特徴があるのでしょうか。

 

また、木材として活用する場合のメリットも合わせてご紹介します。

強度が高い

ブナ材やビーチ材は極めて強度が高く、圧力や衝撃が加わってもダメージを受けにくいという特徴があります。

 

そのため、柱や梁といった建材はもちろんのこと、スキー板などにも用いられてきた歴史があります。

高耐久性

強度が高いということは、加工した後の耐久性にも優れていることを意味します。

 

長年にわたって力が加わってもヒビや割れが生じにくいため、一生物である家や家具などに多く用いられます。

曲げに強い

強度と同様に、ブナ材は曲げにも強いという特徴があります。しなやかさがあり、円筒形のように曲げても一定の強度・形状を保てることから、太鼓の胴部分としても加工がしやすいです。

 

そのため、ブナ材は古くから和太鼓の生産に欠かせない原料でもありました。

色が鮮やか

ブナの木をカットすると、淡い黄色またはピンクに近い白色の断面が確認できます。

 

鮮やかな色合いはほかの木材にはない独特の高級感があり、ブナ材を用いることで華やかさも演出できます。

 

また、年数が経過すると徐々に黄色っぽい色に変化していきますが、木材のなかでは比較的経年変化が少ないため、鮮やかな色合いを楽しむには最適です。

 

ブナ材・ビーチ材のデメリット

ブナ材やビーチ材にはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。

乾燥に時間がかかる

代表的なデメリットとして挙げられるのが、乾燥の難しさです。木材として使用するためには十分な乾燥が必要ですが、ブナ材やビーチ材には多量の水分が含まれており、乾燥に時間がかかります。

 

ちなみに、日本では主に漆器などにブナ材が用いられてきたと紹介しましたが、建材や家具材として一般的に使用されるようになったのはごく最近のことです。

 

それほどブナ材の乾燥には多くの職人が苦労してきたことの現れともいえるでしょう。

腐食に弱い

外部での使用には適していません

 

また、十分な乾燥をしないまま使用すると、内部に残った水分によってカビが繁殖し、徐々に腐食していきます。

 

強度が高く耐久性に優れたブナ材やビーチ材をつくるためには、十分な乾燥が不可欠です。

加工の難易度が高い

ブナ材やビーチ材は硬度が高く非常に硬い木材であると紹介しました。

 

これは高耐久性や長寿命を実現できるというメリットがある反面、加工がしにくいことも意味します。

 

木工機械がそろっている家具屋さんなどプロが加工する分には問題がないでしょう。

 

DIYや日曜大工など、一般のユーザーが扱うには難易度が高い木材かもしれません。

 

ブナ材・ビーチ材がよく使用される用途

乾燥技術の発達により、現在ではさまざまな用途にブナ材やビーチ材が用いられるようになりました。

 

具体的にどういった用途が多いのでしょうか。

家具

ビーチ材の代表的な用途に家具があります。

 

特に椅子やテーブルなどの大きな荷重がかかる部分に用いられることが多いです。

 

特に北欧の高級家具には欠かせない素材のひとつであり、荷重を支えるという実用的な役割だけでなく高級感を演出するうえでも大切な役割を果たしています。

床材

内装材として代表的な用途を挙げるとすれば、フローリングなどの床材があります。

 

リビングや廊下などは日常的に人が行き来するほか、家具や大型家電製品も設置するため荷重に耐えられる床材を選ばなければなりません。

 

耐久性に優れたブナ材やビーチ材は床材として最適であり、同時に鮮やかな色合いで高級感もあるため、満足度の高い仕上がりとなるでしょう。

玩具・インテリア雑貨

子どもやペット用の玩具、インテリア雑貨などにもブナ材・ビーチ材は使用されます。

 

特に、玩具は子どもやペットが口に入れたりすることも多いため、無垢材を加工した製品は人気があります。加えて、ブナ材やビーチ材は耐久性に優れていることから、子どもやペットが手荒に扱っても容易に壊れる心配もありません。

楽器

ブナ材はさまざまな楽器の材料としても用いられます。

 

上記でも紹介した太鼓やドラムの胴部分はもちろんのこと、太鼓を叩く際に使用する”バチ”やスティックピアノの鍵盤ギターベースなど多岐にわたります。

 

ブナ材・ビーチ材の平均価格帯

ブナ材やビーチ材は乾燥に時間を要し加工に多くの手間がかかることから、価格帯としては割高な木材です。

 

サイズによっても価格は異なりますが、たとえば丸太から切り出した一枚板の場合、長さ2〜3m程度、幅30〜40cm程度の大きさで2〜4万円程度が相場となっています。

 

一方、角材の場合は長さ2m程度、幅7cm程度のサイズで7,000〜8,000円程度が相場です。

 

フルタ二ランバーでのブナ材・ビーチ材の取り扱い

ブナ材やビーチ材はしなやかで、曲げに強いという特性をもっていることから、厚み1.0mm〜2.0mm程度に薄くロータリー加工した単板を成型することで、デザイン性の高い家具を製作することができます。

 

ブナやビーチの無垢材は反りなどが現れることがありますが、十分に乾燥させ加工することによりムラが少なく均一で美しい仕上がりを実現します。

 

石川県金沢市の木材販売会社フルタニランバーでは イス用の成型合板をつくるためのロータリー単板をクロアチアやスロベニアから直接輸入しています。FSC認証も取得し、合法性証明をお出しする事も可能です。

 

また、ロータリー単板だけでなく、厚さ26mm、32mm、51mm、長さ1800〜2400mmや3000mm以上の板材の在庫も豊富に用意しています。無垢材を使用した家具や床材をお探しの方にも最適な木材をご提案できます。

 

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まとめ

ブナ材やビーチ材は美しい色合いで高級感があり、さらに強度も高いため優れた耐久性を発揮する木材です。

 

また、曲げに強い特性も活かし、古くから楽器などにも重宝されてきました。現在ではスライス単板を組み合わせることで、デザイン性の高い家具づくりにも活かされています。

 

品質の高いブナ材やビーチ材をお探しの方は、ぜひ一度フルタニランバーまでご相談ください。