フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
家具や木造住宅に使用される人気の木材の種類一覧やそれぞれの特徴
投稿日:2023.02.22/更新日:2023.06.13
家具の製造や木造住宅の建築にあたって欠かせないのが木材です。
一口に木材といっても、原料となる樹木の種類によって特性は異なるため、用途や目的に応じて最適なものを選ぶ必要があります。
本記事では、家具や木造住宅に使用される木材にはどのようなものがあるのか、それぞれの特徴もあわせて紹介します。
Contents
木材の2つの種類:針葉樹と広葉樹の違い
木材には大きく分けて針葉樹と広葉樹の2種類があります。
針葉樹とは、スギやマツなど、細長い葉をもつ樹木のことで、針のような葉であることから針葉樹とよばれます。
これに対し広葉樹とは、ヒノキやブナのように広く平らな葉をもつ樹木のことです。
スギやマツなど日本には多くの針葉樹がありますが、実は世界的に見れば針葉樹の樹種はわずか540種しかないといわれています。
一方、広葉樹の樹種は20万種にもおよびます。
では、針葉樹と広葉樹を木材として比較したとき、どういった特性の違いが見られるのでしょうか。
特に大きな違いとして見られるのは、木材としての硬さです。
英語で針葉樹はソフトウッド、広葉樹はハードウッドとよばれることからも分かる通り、針葉樹は柔らかく、広葉樹は硬い特性が見れます。
これは、針葉樹の細胞の間には無数の隙間が空いており、多くの空気が含まれているためです。
これに対し広葉樹は、空気が入り込む隙間が少ないため硬い木質となります。
また、木材の重量も針葉樹のほうが軽く、広葉樹は重いという違いもあります。
木材の種類を見分ける方法
針葉樹と広葉樹は樹形や葉の形を見れば簡単に見分けることができます。
木材になった後は木目や色で判別をします。
両者を見分けるポイントはいくつかありますが、もっともわかりやすいのは手に持ったときの重量感です。
同じサイズの針葉樹と広葉樹の木材を両手に持ったとき、針葉樹は比較的軽いのに対し、広葉樹はずっしりとした重量感があります。
見た目の違いとしては、年輪に大きな特徴があります。
針葉樹は比較的短期間で生育するため、年輪幅が広く木材の繊維も真っ直ぐに伸びる傾向が見られますが、広葉樹は生育が遅い樹種が多いため、年輪幅が狭く現れます。(ただし樹種や気候により異なります。)
また、木の繊維も複雑に入り組んでいることが多いのも広葉樹の特徴です。
木材の加工の種類
木材の基本を知るうえでは、樹種の違いだけでなく加工の種類も押さえておく必要があります。
細かく分けると十数種類におよぶこともありますが、今回は特に代表的な4種類を紹介しましょう。
無垢材
無垢材とは、天然木を切り出して一枚板として加工した木材を指します。
フローリングや柱、家具などに使用されることが多く、構造材から家具の材料まで幅広く使われます。
天然木を贅沢に切り出して加工することから耐久性があり、樹種によっては美しい木目を楽しめますが、ほかの木材に比べて価格は高価です。
集成材
集成材とは、小さな複数の木材を接着剤で結合させたものを指します。
木材の強度や見た目の観点から、繊維方向に揃えて結合させることが特徴で、無垢材に比べて安価に手に入れられます。
コストを重視した家具の素材に使用されることが一般的です。
合板
合板とは、木材を薄くスライスしたものを多層に重ね合わせ、強度を向上させた板のことです。
「ベニヤ板」とよばれることもありますが、本来のベニヤとは薄くスライスした木材のことであるため、ベニヤ合板という名称が正しいでしょう。
一口に合板といっても、用途や目的に応じて厚さはさまざまで、特に構造材として用いられる合板は厚みがあり十分な強度が確保されています。
SPF材
SPF材とは、スプルース(トウヒ)、パイン(マツ)、ファー(モミ)の針葉樹を原料とした木材です。
木質が柔らかく加工がしやすいため、建築用の2×4(ツーバイフォー)材として用いられることが多いほか、DIY用の資材としても人気があります。
家具によく使われる木材の種類や特徴・サイズ
木材の活用にあたっては、用途に応じて最適な種類やサイズを選ばなければなりません。
木材の代表的な用途である家具にはどういった木材が使用されるのか、主な種類やサイズを紹介しましょう。
たとえば、本棚やタンス、ラックなどの収納家具は、ある程度の重みに耐えられるような棚板を設計しなければなりません。
そのため、15mmまたは21mm以上の棚板が理想的といえます。
特に負荷がかかる本棚の場合には、21mm以上の広葉樹の木材を選ぶと耐久性が増します。
また、ダイニングテーブルの天板には無垢材や集成材が用いられますが、一人あたりのサイズ目安は横幅が600mm、縦が400mmです。
そのため、4人掛けのダイニングテーブルであれば1200mm×800mm、6人掛けの場合は1800mm×800mmの天板が理想的です。
木造住宅の構造材によく使われる木材の種類や特徴・サイズ
構造材とは、主に住宅の壁や床、屋根などの下地に使用する木材や、土台や柱、梁などに使用する木材を指します。
土台や柱、壁には加工がしやすく軽量な針葉樹が、床や屋根には強度の高いラワン材の合板が使われることがあります。
構造材に使用する木材は、比較的広範囲にわたって施工する必要があることから、横900mm、縦600mmの合板が多く販売されています。
そのほかにも、600mm×300mmや900mm×450mm、300mm×300mmなどのサイズもあります。
また、土台や柱、梁などに使用する木材は、長さが3000mmから4000mm、90〜120mm四方の材木が多用されます。
木造住宅の内装材によく使われる木材の種類や特徴・サイズ
内装材とは、その名の通りフローリングや階段、天井などの内装に使用する木材のことです。
フローリングや階段は日常的に人が行き来するため、特に耐久性が求められます。
そのため、硬くて傷がつきにくい広葉樹の無垢材や集成材が用いられ、天井には柔らかく加工がしやすい針葉樹が用いられることが多くあります。
内装材は用途によってもサイズが異なりますが、たとえばフローリングの場合は長さが1820mm、幅は90mmのサイズが基本となり、これを複数枚組み合わせて施工していきます。
木材の種類と魅力
木材には海外からの輸入木材と、国内で生産された国産木材があり、それぞれに魅力や強みがあります。
そのなかで、木材にはどういった種類があるのか、それぞれの魅力もあわせて紹介しましょう。
スギ
秋田杉や屋久杉などが有名で、本州に広く分布しています。
真っ直ぐな繊維で木目が美しく、柔軟性があり加工がしやすいため、建築材はもちろん家具などにも多く活用されています。
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ヒノキ
福島県以南に広く分布しており、特に木曽や高野山などは天然のヒノキの産地として有名です。
スギよりも木材の価格は高く、独特の香りもあって内装材や家具などにも多く用いられています。
また、ヒノキの心材は白に近い色をしているため、古くから神社仏閣を建立する際の材料としても重宝されてきました。
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ヒバ
ヒバの一大産地として有名なのは青森と能登半島です。
当社のある石川県では能登ヒバのブランドでも知られています。
ヒノキチオールとよばれる成分が含まれており、独特の香りを発し防虫効果や防腐効果も優れています。
虫食いの被害を防ぐ効果が期待できるため、土台や根太などの建築材として人気があります。
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パイン
主に北米産のマツを加工したものをパイン材と呼びます。
特にコストパフォーマンスが高く、家具のほかに床材や壁材などさまざまな用途に用いられるのがパイン材です。
🔻パイン材の詳細についてはこちら🔻
◆パイン材とはどんな木材?経年変化や使用される家具、メリット・デメリットを解説
アッシュ
原料となるのはトネリコとよばれる樹木で、特にヨーロッパ原産のセイヨウトネリコはヨーロピアンアッシュ、アメリカ原産のアメリカトネリコはホワイトアッシュとよばれます。
木目の美しさと耐久性の高さが特徴で、長年にわたって使い続けることができます。
🔻アッシュ材の詳細についてはこちら🔻
◆アッシュ材とはどんな木材?経年変化や使用される家具、メリット・デメリットを解説
クリ(チェスナット)
クリは主に日本・中国・アメリカを産地としており、独特の温かみのある色合いが特徴的です。
適切に保護・メンテナンスされていれば、数十年から100年以上もの耐久性が期待できるほか、経年変化によって色の深みが増すという特徴もあります。
🔻クリ材(チェスナット)の詳細についてはこちら🔻
◆クリ材(チェスナット)の特徴や建具に合う理由|後悔する人がいる?
ウォールナット
代表的な高級木材として有名なのが、ウォールナットです。
おもに海外で家具や内装材として活用されてきた歴史があり、現在でも高級家具には欠かせない木材のひとつです。
適度な固さと加工のしやすさを両立した特徴を持っています。
🔻ウォールナット材の詳細についてはこちら🔻
◆ウォールナット材はどんな木材?色の特徴や経年変化、使用される家具について解説
フルタニランバーでの取り扱い
石川県金沢市に拠点を構えるフルタニランバーは、輸入木材から国産木材までさまざまな製品を取り扱っています。
地元のブランド木材である能登ヒバをはじめとして、青森ヒバやスギなどの無垢材、合板、芯材、丸太にいたるまで、国内外の仕入れルートから確かな目利きによって取り寄せ、加工まで一貫して対応しています。
北陸でも随一の取り扱い樹種および在庫数を誇り、地元はもちろん全国各地から数多くのオーダーをいただいております。
まとめ
木材を選ぶにあたっては、針葉樹と広葉樹の特性を理解し、さらには加工の種類やサイズ、最適な樹種も検討しなければなりません。
今回紹介したポイントを最低限押さえつつ、目的にマッチした木材をさまざまな選択肢の中から選んでみましょう。
もし、どの樹種・加工方法が適しているのか分からない場合には、一度フルタニランバーまでご相談ください。