石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

ウォールナット材とはどんな木材?経年変化や色、使用される家具について

投稿日:2023.03.10/更新日:2023.12.14

建物の建造や家具の製作などに不可欠な木材。

 

いわゆる高級木材とよばれる希少価値の高い木材はさまざまなものがありますが、中でも代表的なのが「ウォールナット(ウォルナット)材」です。

 

おもに海外で家具や内装材として活用されてきた歴史があり、現在でも高級家具には欠かせない木材のひとつです。

 

本記事では、ウォールナット(ウォルナット)材の特徴について詳しく解説するとともに、その他木材との違いやメリット・デメリットなども紹介します。

 

ウォールナット(ウォルナット)材とは?木材の特徴

ウォールナット(ウォルナット)とはクルミ科クルミ属の広葉樹です。

 

ウォールナット(ウォルナット)を原料とした木材をウォールナット(ウォルナット)材とよび、建材や内装材、家具材、楽器などさまざまな用途に使用されてきた歴史があります。

 

木材としての特徴をもう少し詳しく解説しましょう。

①色・木目

ウォールナット(ウォルナット)を製材した直後は、断面が白に近い明るい色をしています。

 

しかし、内部に含まれる酵素が空気に触れることで酸化し、わずか数時間程度で褐色に変化していきます。

 

ウォールナット(ウォルナット)は広葉樹でありながら、上空に向かって真っ直ぐに成長していくため、木目は直線的で整然としているものが多いです。

②植林から伐採の時期

ウォールナット(ウォルナット)の主な産地は米国で、広大な土地で生育されています。

 

日本では木材を生産するために植林によって増やすことが一般的ですが、米国で育つウォールナット(ウォルナット)は自然交配によって増やしています。

 

伐採までの年数は数十年程度といわれており、周辺の樹木の育成状況なども見極めながら1ヘクタールあたり2〜3本程度を間引くように伐採します。

③強度

ウォールナット(ウォルナット)材の強度は中程度であり、適度な固さと加工のしやすさを両立した木材といえます。

 

木材によっては切断したり接着したりして加工した後、湿度や温度によって寸法に狂いが生じることもありますが、ウォールナット(ウォルナット)材はそのようなリスクも低いため、特に精度が求められる家具や楽器などに重宝されてきました。

④耐久年数・経年変化

ウォールナット(ウォルナット)材を使用した家具や楽器は現在高値で取引されており、木材そのものの耐久性は高いといえるでしょう。

 

製材した直後は黒に近い濃い褐色が見られますが、紫外線に当たることで徐々に明るい茶褐色へと変化していき、経年変化を楽しむこともできます。

 

ウォールナット(ウォルナット)材の種類

一口にウォールナット(ウォルナット)材といっても、木材の産地や樹種によってさまざまな種類が存在します。

 

代表的なウォールナット(ウォルナット)材の種類をいくつか紹介しましょう。

①アメリカンブラックウォールナット(ウォルナット)

ウォールナット(ウォルナット)材のなかでも最高級の品質を誇り、ウォールナット(ウォルナット)の代名詞的存在でもあるのがアメリカンブラックウォールナット(ウォルナット)です。

 

その名の通り米国産のウォールナット(ウォルナット)が原料となっており、無垢材はテーブルの天板やチェアなどさまざまな家具に用いられています。

②クラロウォールナット(ウォルナット)

米国産のアメリカンブラックウォールナット(ウォルナット)に、欧州産のウォールナット(ウォルナット)を接ぎ木して誕生したのがクラロウォールナット(ウォルナット)です。

 

アメリカンブラックウォールナット(ウォルナット)は樹高が高い特徴がありますが、クラロウォールナット(ウォルナット)は低めで、その代わりに樹幅が広い傾向が見られます。

 

木の表面にコブが現れるケースもあり、このような形状を生かしてダイニングテーブルの天板へ加工することもあります。

 

③バストゥーンウォールナット(ウォルナット)

クラロウォールナット(ウォルナット)を更に接ぎ木をして誕生したのがバストゥーンウォルナット(ウォルナット)です。

 

接ぎ木にはイングリッシュウォールナット(ウォルナット)を使っています。

 

自然界に自生していない樹種で、 流通量が極端に少なく希少価値が高い製品です。

 

他のウォルナット(ウォルナット)には見られない複雑な木目と入り組んだ表情をしています。

 

また独特の光沢が見られます。

 

価格は高価格で取引されることが多い樹種です。

 

④オレゴンウォールナット(ウォルナット)

アメリカンブラックウォールナット(ウォルナット)は、米国のオハイオ州やインディアナ州、ミズーリ州といった東部で算出される木材のことを指します。

 

これに対し、同じ米国でもオレゴン州をはじめとした西部で算出される木材をオレゴンウォールナット(ウォルナット)とよびます。

 

ウォールナット(ウォルナット)材と日本のクルミ材の違い

クルミ科クルミ属の広葉樹にはウォールナット(ウォルナット)以外にもクルミが存在し、古くから国産木材として重宝されてきた歴史があります。

 

ウォールナット(ウォルナット)は冒頭でも紹介した通り、黒に近い濃い褐色が特徴ですが、国産のクルミ材は白に近い明るい色をしており、木ならではの優しい雰囲気を醸し出します。

 

そのため、たとえば部屋全体を明るい雰囲気で統一したい場合にはクルミ材、シックで落ち着いた雰囲気にまとめたい場合にはウォールナット(ウォルナット)材を使用するなど、目的に応じた使い分けが効果的です。

 

 

ウォールナット(ウォルナット)の無垢材と集成材の違い

ウォールナット(ウォルナット)材に限ったことではありませんが、木材には大きく分けて「無垢材」と「集成材」とよばれるものがあります。

 

無垢材とは、丸太から直接切り出し加工した木材のことであり、一枚板ともよばれます。

 

これに対し集成材とは、サイズや形状が異なる木材をつなぎ合わせ加工したものを指します。

 

無垢材は木がもつ木目や風合いをそのまま残しているため、ダイニングテーブルの天板など高級家具に使用されることが多くあります。

 

これに対し集成材は、無垢材に比べて安価で入手しやすいため、フローリングやチェア、キャビネットなどさまざまな用途に活用されています。

 

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ウォールナット(ウォルナット)材とその他高級材との違い

ウォールナット(ウォルナット)材以外にも、いわゆる高級木材とよばれるものにはマホガニー材やチェスナット材などがあります。

 

これらはどういった違いがあるのか、詳しく解説しましょう。

①マホガニー材

マホガニー材は赤みを帯びた色が特徴であり、ウォールナット(ウォルナット)材に比べて希少価値の高い木材です。

 

アンティーク家具に用いられている定番の木材であり、かつては豪華客船の室内装飾にも使用されたことがあります。

 

美しい木目が特徴的で、年代物の楽器にも使用されています。

②チェスナット材

チェスナット材は栗の木を原料とした木材であり、ウォールナット(ウォルナット)材に比べると手頃で入手しやすい傾向があります。

 

木材の耐久性はウォールナット(ウォルナット)材よりも高く、木目もはっきりとしています。

 

重厚で適度なしなやかさもあるため、フローリングや柱などにも使用されることが多くあります。

③その他の高級木材

上記以外にも、メープル材やチーク材、バーチ材といった高級木材があります。

 

メープル材

カエデ科に属する広葉樹が原料となっており、白に近い色合いが特徴。

ウォールナット(ウォルナット)材と同様、加工のしやすさと適度な固さを持ち合わせています。

 

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チーク材

赤みを帯びた褐色が特徴で、マホガニー材と並ぶほどの高級木材です。

耐久性はもちろん耐水性にも優れているため、建材としての利用価値も極めて高いです。

 

🔻チーク材の詳細についてはこちら🔻

◆チーク材の特徴や用途について|メリット、デメリットも紹介

 

バーチ材

カバノキ科に属する広葉樹を原料とした木材です。

優しい色合い・木目でありながらもウォールナット(ウォルナット)材に比べて固く、耐久性に優れています。

 

ウォールナット(ウォルナット)材を使用するメリット・デメリット

どのような木材でも、メリットもあればデメリットも存在します。

 

木材選びの際に押さえておきたい、ウォールナット(ウォルナット)のメリット・デメリットを紹介しましょう。

メリット

ウォールナット(ウォルナット)材のメリットは主に以下の4点です。

 

  1. 1.耐久性が高い
  2. 2.加工がしやすい
  3. 3.湿度や温度による狂いが少ない
  4. 4.見た目が美しい

 

適度な固さがある一方で加工がしやすいことから、複雑な形状のカットや研磨が求められる家具や楽器などに最適です。

 

また、湿度や温度によって寸法に狂いが生じにくいという優れた特性もあるため、季節によって寒暖差が大きい日本のような土地にマッチした木材といえるでしょう。

デメリット

ウォールナット(ウォルナット)材のデメリットは以下の2点が挙げられます。

 

  1. 1.コストがかかる
  2. 2.経年変化が大きい

 

最大のデメリットとして、価格の高さが挙げられるでしょう。

 

米国産のウォールナット材は特に高価ですが、近年ではウッドショックの影響によりさらにコスト高の傾向が見られます。

 

また、ウォールナット材は年数が経過するごとに濃い褐色から色が薄くなっていく特性があります。

 

経年変化を楽しめない方にとっては、デメリットと捉えられることもあるでしょう。

 

ウォールナット(ウォルナット)材を使用した家具

ウォールナット(ウォルナット)材にはさまざまな用途がありますが、その中でも特に多いのが家具の製造です。

 

どういった家具に使用されることが多いのか、一例を紹介しましょう。

 

・ダイニングテーブル

・チェア

・テレビボード

・タンス・キャビネット など

 

特にダイニングテーブルは、ウォールナット(ウォルナット)の美しい木目を活かした無垢材を天板に使用した製品も多くあります。

 

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◆家具や木造住宅に使用される人気の木材の種類一覧やそれぞれの特徴

 

ダイニングテーブルにウォールナット(ウォルナット)材が人気な理由

ウォールナット(ウォルナット)材は、毎日のように使用する家具に多く用いられます。

 

特にダイニングテーブルやダイニングチェアは家族が集うダイニングやリビングに設置され、使用頻度の高い家具です。

 

だからこそ、使用する木材にも優れた耐久性が求められ、使う人の満足度を高めるためにも見た目の美しさが重要となります。

 

ウォールナット(ウォルナット)は美しい木目とモダンな色合い、優れた耐久性を両立した数少ない木材であることから、家具をはじめとしたインテリアに多く用いられています。

 

 

ウォールナット(ウォルナット)材の平均価格帯

高級木材として知られているウォールナット(ウォルナット)材を選ぶにあたって、多くの方が気になるのはコストです。

 

フローリングや家具などに使用する無垢材の相場を見てみると、1平方メートルあたり2万円前後と高額です。

 

また、ダイニングテーブルにも使用される大型サイズの一枚板ともなると、厚みも確保しなければならないため7〜10万円と一気に価格が跳ね上がります。

 

集成材であれば上記の金額よりも抑えられるため、用途に応じて使い分けると良いでしょう。

 

フルタ二ランバーでのウォールナット(ウォルナット)材の取り扱い

石川県にあるフルタニランバーでは、木材の輸入や卸売、加工、販売まで一貫して行っています。

 

取り扱い木材の種類も豊富で、なかでもウォールナット(ウォルナット)材は無垢材や集成材はもちろん、フローリング材、天板など用途に応じて豊富に取り揃えています。

 

大量ロットの納品はもちろんですが、少量多品種の加工および納品にも対応しており、熟練の職人が必要な部材を一から加工し納品します。

 

高品質・高精度の加工技術と専用設備を有しているため、複雑な形状の加工にも対応可能です。

 

 

まとめ

ウォールナット(ウォルナット)材は希少価値が高く、美しい木目と色合い、優れた耐久性から高値で取引されています。

 

高級家具には欠かせない木材であり、ウォールナット(ウォルナット)材を使用することで高い質感を表現できるでしょう。

 

ウォールナット(ウォルナット)材は比較的加工がしやすい木材ですが、美しい仕上がりにするためには熟練の職人による作業が不可欠です。

 

木材加工も含めて上質なウォールナット(ウォルナット)材をお探しの方は、ぜひ一度フルタニランバーまでお問い合わせください。