フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
FSC®認証の費用は無料?メリットや取得方法を簡単に解説
投稿日:2024.02.28/更新日:2024.02.29
企業経営においては社会貢献活動も重視されるようになり、特にSDGsや環境保全への取り組みは多くの企業が実践し始めています。
建築やリフォームなど木材を扱う事業者においては「FSC認証」の取得も重要な指標のひとつであり、現在取得に向けて検討している経営者も多いのではないでしょうか。
本記事では、FSC認証の取得方法や費用、FSC認証を取得することのメリットなども含めて詳しくご紹介します。
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Contents
FSC認証とは?
FSC認証とは、適切に管理された森林から伐採された木材や、その他のリスクの低い木材を加工して作られた製品にFSCマークを付与し、認証製品として販売できる制度を指します。
消費者はFSC認証が付与された製品を選ぶことで、貴重な森林や生態系を保全し、持続可能な社会の実現に貢献できます。
なお、FSC認証はFM認証とCoC認証とよばれる2つの制度から成り立っています。
FM認証
FM認証の「FM」はForest Managementの略称で、日本語では「森林管理」と直訳されます。
一言でいえば「適切な管理がなされている森林を認証する制度」のことであり、「森林管理のためのFSCの10の原則と56の基準」と、FSCの原則と基準をもとにした森林管理基準に則って審査が行われます。
また、FM認証は一度取得した後5年間の有効期限があり、その後も認証を継続する場合は更新のための審査が必要です
CoC認証
CoC認証とは、FM認証を受けた森林から伐採された木材を一定のルールのもとで適切に管理・加工しているかを審査・認証する制度です。
CoC認証を取得するためには、CoC管理マニュアルを作成することやスタッフへの教育体制、外注先との契約の締結なども求められます。
また、CoC認証の有効期限もFM認証と同様に5年間であり、その後も認証を継続する場合は更新のための審査が必要です。
FSC認証を受けるメリット
木材を生産・加工する事業者がFSC認証を取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
環境に配慮した企業であるとアピールできる
FSC認証の取得はSDGsの目標15に掲げられている「陸の豊かさも守ろう(Life on Land)」に直結します。
環境に配慮した事業活動を行っていることを対外的にアピールできます。
ブランディングに活用できる
コンプライアンスや企業の社会的責任が注目されている昨今、SDGsや環境への配慮も企業の信頼性を判断するうえで重要な指標となります。
コーポレートサイトやCMなどで自社の取り組みをアピールするのもひとつの方法ですが、FSC認証は視覚的にわかりやすくブランディングに大きな効果を発揮できるでしょう。
認証を受けていない企業と差別化できる
FSC認証を取得するためには適切な管理・生産体制が求められます。企業にとってはコストや手間を要しますが、消費者から見れば信頼性の高い企業を見極めるための判断材料にもなり、FSC認証を受けていない企業との差別化が図れるでしょう。
FSC認証の取得方法
FSC認証を取得するためにはどういった方法・手順で進めていけば良いのでしょうか。
1.認証機関から見積もりを取得
はじめに、FSC認証のサービスを提供している認証機関から見積もりを取得します。
日本国内のFSC認証機関は以下の7社が存在し、任意の認証機関を選ぶことができます。
FSC認証の取得にかかる費用や時間は事業規模などによっても変わるため、個別に見積もりを取得し、条件や手続きの手順なども説明を受けておく必要があります。
【日本国内の認証機関】
- アミタ株式会社
- ビューローベリタスジャパン
- コントロールユニオンジャパン
- インターテック・サーティフィケーション
- 一般財団法人日本ガス機器検査協会
- プリファード・バイ・ネイチャー
- SGSジャパン
2.認証機関から審査を受ける
認証機関を決定したら契約を結び、審査に入ります。
審査ではオフィスや工場、倉庫などの事業所へ審査員が訪問することが多く、主に生産や管理の体制を確認したり、業務に従事するスタッフへインタビューが行われたりすることも多いようです。
3.FSC認証の取得
事業所への訪問で取りまとめられた報告書をもとに、FSC規格の要件が満たされていればFSC認証が発行されます。
FSC認証取得後はデータベースに企業名などの情報が登録され、検索可能な状態になります。ただし、冒頭でもご紹介した通り、FSC認証は5年ごとに更新が必要なほか、認証機関による毎年1回の年次監査を受けなければなりません。
FSC認証取得にかかる費用
FSC認証の取得にかかる費用は事業規模などによっても大きく異なるため、基本的には個別に認証機関へ見積もりをとってもらう必要があります。
費用の主な内訳は以下の通りです。
- 審査費用
- 年間管理費用
- FSC認定管理料
- 訪問審査員の旅費・交通費
- 事前審査費用(任意)
上記のうち、「FSC認定管理料」はFSC認証制度の管理および運営のために負担しなければならない費用であり、FSC JapanのWebサイトでは必要項目を入力するだけで概算での見積もりが可能な計算シートも公開されています。
たとえば、年間の売上高が1億2,500万円以下、FSC認証製品の販売を宣伝する場合には1年間の金額が37万5,000円となり、広告宣伝媒体の数などに応じて割引も受けられます。
FSC認証にデメリットはある?
FSC認証の取得は企業にとって多くのメリットをもたらし、基本的にデメリットよりもメリットのほうが大きいといえるでしょう。
あえてデメリットを挙げるとすれば、以下の2点が考えられます。
コストをかけた分の回収が必要になる
FSC認証の最大のデメリットとして考えられるのは、認証の取得にコストがかかることです。
上記で挙げたように、年間数十万円単位のコストに加えて審査費用や審査員の旅費・交通費などもかかるため、その分の売上を確保できなければ、これらの費用を回収できず経費が無駄になってしまいます。
また、FSC認証は一度取得して終わりではなく、その後も年次監査や5年ごとの更新も必要であることから継続的にコストがかかります。
認証マークを見落とされるとアピールができない
FSC認証を取得すると緑のFSC認証マークを製品やラベルに印字することができます。
しかし、印字する場所や大きさによっては認証マークそのものを見落とされる可能性もあり、消費者に対してアピールできずに終わってしまいます。
また、消費者がFSC認証マークの意味を把握していないと、それが何を意味するのか分からずアピールの効果も得られない可能性があるでしょう。
認証材はフルタニランバーにおまかせ!
住宅の建築やリフォーム、家具の製作などにおいて、高品質な木材は欠かせない材料のひとつです。品質の低い木材は仕上がりや見た目に影響するだけでなく、用途によっては安全性をも左右することがあります。
高品質な木材を調達する際には、その会社や店舗が「FSC認証」を取得しているかどうかも重要なポイントのひとつといえるでしょう。
石川県金沢市にあるフルタニランバーはFSC CoC森林認証を取得しており、石川県の県木である「能登ヒバ」をはじめとした地域材を積極的に活用する取り組みも行っています。
地域材の活用は間伐から植樹、育成といった適切な森林管理につながるほか、山を整備することで豊かな水源の確保や土砂災害をはじめとした自然災害の防止にも貢献します。
さらに、国内だけでなく海外からも高品質の木材を調達しており、用途に応じてさまざまな加工にも対応可能です。
まとめ
木材の調達にあたっては、なるべくコストを抑えるために価格面にフォーカスしがちですが、その製品がどのように調達されたかを把握することも重要です。
FSC認証の取得し適切に管理された森林から調達した木材を使用することは、持続可能な社会を実現することにもつながり、自社のブランディングや他社との差別化といったメリットも得られるはずです。
FSC認証の取得にはコストもかかりますが、それ以上のブランディング効果が期待でき、売上の維持・向上によってコストは十分回収できるでしょう。
FSC認証取得済みの高品質な木材をお探しの方は、ぜひ一度フルタニランバーまでお問い合わせください。