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フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

胡桃(クルミ)の木材としての特徴と用途について詳しく解説

投稿日:2024.12.28/更新日:2024.12.28

胡桃と聞くとナッツをイメージする方が多いと思いますが、実は木材としても多くの魅力があり、古くから家具や内装材として活用されてきた歴史があります。

 

胡桃は日本国内だけでなく海外にも分布しており、高級木材のひとつに数えられています。

 

本記事では、木材としての胡桃の特徴や魅力を解説するとともに、どういった用途に活用されているのか、気になる価格帯についてもご紹介します。

胡桃(クルミ)の木とは?

胡桃(クルミ)といえばナッツの一種として定番ですが、樹木そのものも幅広い用途に活用されています。

 

胡桃の木は英語で「ウォールナット」ともよばれ、寒さに強いため日本や中国、北米などに広く分布しています。

成長すると樹高10メートルから20メートル程度の大木となり、良質な木材として高いニーズを誇ります。

 

ちなみに、使い勝手が良く加工性にも優れているため、胡桃の木は世界三大銘木のひとつにも数えられています。

 

その証として、欧米を中心に歴史的な建造物や調度品に胡桃の木は多く用いられており、古くから高級木材として珍重されてきました。

日本国内でウォールナット材として流通している木材は北米産のものがほとんどで、黒に近い色合いをしています。

 

一方、国産の木材は胡桃(クルミ)材と表記されることが多く、ウォールナット材に比べると淡い色合いが特徴的です。

 

なお、一口に胡桃といってもオニグルミやヒメグルミ、シナノグルミなどさまざまな種類がありますが、胡桃材としてはオニグルミが広く流通しています。

 

関連記事:ウォールナット材とはどんな木材?経年変化や色、使用される家具について

胡桃の木材としての特徴

ほかの木材を比較した場合、胡桃の木にはどういった特徴があるのでしょうか。4つのポイントに分けて解説します。

独特の光沢を持つ

胡桃の木材は深みのある落ち着いた色合いとともに、美しい光沢も見られます。

中心部にいくほど色の深みは増し、辺材と心材との色のコントラストも楽しめます。

 

木材をカットした後は淡い色が見られますが、年数の経過とともに琥珀のような濃い色に変化していくため、家具などに使用することで一際大きな存在感を与えてくれます

 

ちなみに、深みのある色や光沢をもつ木材としてはマホガニーもありますが、胡桃材はマホガニーに比べると入手しやすく価格も抑えられています。

軽くて柔らかい

重厚感のある見た目の木材は硬く加工がしにくいといったイメージがありますが、胡桃は木材の中でも比較的軽く、柔らかい性質をもっています。

そのため、一般的な工具や工作機械でも加工がしやすく、細かい彫刻や仕上げ作業にも向いています

 

ちなみに、主に北米産のものはウォールナット、あるいはブラックウォールナットとよばれ、国産のものは胡桃材として区別されることも多いですが、ウォールナットやブラックウォールナットに比べると胡桃材のほうが柔らかい特性があります。

衝撃に強く狂いが少ない

胡桃材は素材そのものが柔らかいながらも衝撃に対する耐性が高く、強度と耐久性に優れています

 

また、乾燥による収縮や膨張も少なく、環境が変化しても狂いにくいという特性もあります。

用途が広い

胡桃材は木材としての美しさはもちろんのこと、耐久性や加工性の面でも優れていることから、さまざまな用途に利用されています

 

特に家具や楽器、装飾品などは古くからヨーロッパを中心に活用されてきた歴史があるほか、現在では住宅の内装材などデザイン性が重視される製品に広く活用されています

 

関連記事:ギターに使われるマホガニー材とは?特徴やなぜ高いかを解説

胡桃の木材の用途

上記でも簡単にご紹介しましたが、胡桃材はどういった用途に活用されているのか、具体的な例を交えながらもう少し詳しく解説しましょう。

家具

胡桃材は高級家具に広く用いられています。具体的にはダイニングテーブルやダイニングチェア、ソファ、キャビネット、シェルフなどがあり、いずれも一生物の製品として根強い人気を誇ります。

 

特にテーブルの天板は使い込むほどに深みのある色に変化していき、長く使うほど愛着が湧いてくるでしょう。

建築内装

胡桃は美しい木目と深みのある色合いを活かすために、内装材として使用されることも多くあります。

 

特に代表的なのがフローリング材であり、内装にこだわる方にとって胡桃の無垢材は有力な選択肢のひとつに挙げられるでしょう。

 

また、見た目の美しさだけでなく、加工性の良さや割れや狂いの少なさも内装材に広く用いられる理由です。

楽器

胡桃材はバイオリンやギターなどのボディにも広く活用されています。

 

楽器は非常にデリケートであり、わずかな狂いや割れによって音が変化したり、弾き心地にも影響を与えることから、木材の良し悪しが楽器そのものの品質を左右するといっても過言ではないのです。

工芸品・彫刻

胡桃材は加工のしやすさから、細かな意匠が施される工芸品や彫刻品の材料としても広く活用されています。

 

たとえば、ミラーフレームや壁掛け時計、小物入れ、積み木などの玩具が代表的です。

銃床材

銃床とは、ライフル銃などにおいて銃身(弾丸が射出される円筒部分)を安定的に支える部分のことです。

 

猟銃や競技用のライフル銃では木製の銃床が多く、中でも胡桃は衝撃の吸収性が高く木目が美しいことから、代表的な銃床材として用いられています。

 

関連記事:家具や木造住宅に使用される人気の木材の種類一覧やそれぞれの特徴

胡桃の木材のデメリット

ほかの木材と比較すると胡桃材にはさまざまなメリットや魅力がありますが、反対にデメリットとして考えられるポイントは何があるのでしょうか。

価格が比較的高い

落葉広葉樹である胡桃は成長スピードが遅く、伐採までに多くの時間を要します

 

木材としての生産効率は決して高くないため、その分価格も高くなる傾向があります。

 

また、胡桃材は心材と辺材で色合いが異なり、特に濃い褐色の心材は1本あたりの樹木から採取できる量が限られていることも価格が高い要因のひとつです。

供給の不安定さ

スギなどの針葉樹に比べて成長スピードが遅い胡桃は、大量生産が難しく供給量も限られています

 

そのため、ホームセンターなどで手軽に購入することは難しいほか、一枚板など希望通りのサイズの木材が見つからないケースも少なくありません。

汚れが目立ちやすい

胡桃材は重厚感のある色と独特のツヤが魅力ですが、その反面わずかな汚れやホコリなどが付着すると目立ちやすくなります。

 

また、付着した汚れを放置しておくとシミが残ってしまう可能性もあるため、きれいな状態を保つためにはこまめな清掃が欠かせません

 

関連記事:杉(スギ)材の木材としての特徴やメリット|ヒノキ材との違いは?

胡桃の木材の価格

胡桃材を選ぶうえで大きなネックとなるのが価格ですが、今回は参考までに一枚板と無垢材の価格例をご紹介しましょう。

一枚板の価格例

一枚板は1本の樹木をスライス状にカットして作られるため、合板や集成材のようにサイズが決まっているものではありません。

あくまでも目安ではありますが、サイズごとの価格例は以下の通りです。

 

長さ:4000mm

厚さ:50mm

巾:350mm

価格:50,000円

 

長さ:3000mm

厚さ:45mm

巾:350mm

価格:40,000円

 

長さ:2000mm

厚さ:45mm

巾:300mm

価格:25,000円

無垢材の価格例

無垢材とは丸太の状態から切り出した木材のことを指し、一定の厚みにカットされた複数枚の板あるいは指定の厚みや巾にカットした状態で販売されるものが一般的です。

 

無垢材の代表的な用途であるフローリング材の価格例をご紹介しましょう。

 

1㎡あたり9,000円〜15,000円

 

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まとめ

国産の胡桃材は生産地が限られており、樹木そのものの成長スピードも遅いため希少な木材といえます。

 

北米産のウォールナット材は深みのある色合いが魅力で人気も高いですが、国産の胡桃材も木材本来の温かみが感じられ魅力があります。

 

しかし、胡桃材は流通量が限られていることから、希望通りのサイズが見つからないことも珍しくありません。

 

家具や内装の材料として高品質の胡桃材をお探しの方は、石川県金沢市の木材販売会社のフルタニランバーまでご相談ください。

 

輸入木材はもちろんのこと、胡桃をはじめとした多くの国産木材も数多く取り扱っており、用途に応じて加工にも対応させていただきます。