フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
ギターに使われるマホガニー材とは?特徴やなぜ高いかを解説
投稿日:2024.03.10/更新日:2024.04.03
今では入手困難となっている高級木材はさまざまなものがありますが、そのなかでも代表的なのが「マホガニー材」です。
主にギターや高級家具などの材料として用いられてきましたが、なぜこれほどまでに希少性が高いのか、木材としての特徴などもあわせて詳しく解説します。
Contents
マホガニーとは
マホガニーとは、センダン科マホガニー属の樹木で、ウォールナットとチークに並ぶ世界三大銘木のひとつに数えられています。
マホガニー材の断面は、リボン杢とよばれる美しい木目が特徴的です。
一定間隔に入った縦のライン模様は、見る角度や個体によってもさまざまな表情を見せてくれます。
一般的な木材には見られない美しい木目を活かし、マホガニーは古くから高級家具や楽器などの材料として用いられてきました。
しかし、近年では違法伐採が問題化したことから、マホガニーはワシントン条約にも登録されるほど希少価値が高くなっています。
マホガニーの丸太および製材などを輸入・輸出する際には、合法的に伐採されたものであるという生産者の証明書類が求められるなど厳しく制限されています。
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マホガニーの種類
一口にマホガニーといってもさまざまな種類があります。今回は代表的な5つの種類をご紹介しましょう。
ちなみに、アフリカンマホガニーやサペリマホガニーのように「マホガニー」と名の付くものでも、厳密にはマホガニーに分類されないものもあるため注意が必要です。
キューバンマホガニー
キューバンマホガニーは、キューバおよびアメリカのフロリダ半島原産のマホガニーです。
マホガニーのなかでも特に最高級の木材として知られており、高級家具やギターなどに使用されてきました。
現在でも、キューバンマホガニーで作られたアンティーク家具やヴィンテージギターは、高値で取引されています。
ホンジュラスマホガニー
ホンジュラスマホガニーは、北米大陸と南米大陸の中間にあるホンジュラスという国が原産のマホガニーです。
政治的な理由によってキューバンマホガニーの入手が困難になった時代に、その代用品として需要が高まり東南アジアを中心に植林が進みました。
マホガニー材の中でも、比較的安価で入手しやすいのが特徴です。
メキシコマホガニー
メキシコマホガニーは、メキシコ南部に多く分布しているマホガニーです。
学術上、マホガニーに分類されるのは上記2種類とメキシコマホガニーのみであり、いずれもワシントン条約に登録され輸出入が厳しく制限されています。
アフリカンマホガニー
アフリカンマホガニーは、マホガニー材の代替材料として流通している木材です。
学術上はセンダン科アフリカマホガニー属に属しており、マホガニー属ではないため上記の3樹種とは区別されます。
マホガニーのようなリボン杢が見られ、その美しさは本物のマホガニーにも劣らないほどです。
サペリマホガニー
サペリマホガニーは、センダン科エンタンドロフラグマ属の植物です。
アフリカマホガニーと同様、美しいリボン杢が現れるためマホガニー材の代替材料として使用されることが多くあります。
「マホガニー」と名のつく木材のなかで、もっとも一般的に流通し入手しやすいのはサペリマホガニーです。
マホガニー材の特徴
マホガニー材にはどういった特徴があるのでしょうか。主な3つのポイントをご紹介します。
加工性に優れ耐久性も高い
マホガニーは導管とよばれる組織が太く、柔軟であるという特徴があります。
そのため木材をカットしたり削ったりする際に加工がしやすく、複雑な形状や意匠を施すこともできます。
また、耐久性にも優れている特徴があり、今から100年以上前に作られたアンティーク家具が美しい状態を保っているのもそれを証明しています。
高級感のある木目
マホガニーが世界三大銘木のひとつに数えられる理由は、美しく高級感のある木目「リボン杢」が入っているためです。
リボン杢が見られる木材にはさまざまなものがありますが、特にマホガニーの木目は美しく、見る角度によってもさまざまな風合いを楽しめます。
軽量で扱いやすい
マホガニーは、木材そのものが軽量で扱いやすいという特性もあります。
ギターなどの楽器に用いられることが多いのは、美しい木目もひとつの理由です。
そして、それ以上に木材が軽量であることで演奏する際に体へ負担がかからず、繊細な音を奏でてくれるという実用的な側面もあるのです。
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マホガニー材の色合い
新しいマホガニー材は、黄色みがかった白い色をしており、リボン杢のストライプが入った部分には淡い赤褐色も見られます。
また、わずかに角度を変えるとキラキラと光って見えたり、色が微妙に変化して見えることもあります。
このような色合いの違いは個体差があり、一つひとつの木材が違った表情を見せてくれます。
さらに、マホガニー材は時間の経過とともに少しずつ表情を変えていき、淡い色から赤褐色や飴色に変化していきます。
若々しく鮮やかな色もきれいですが、年数を重ねるごとに深みのある落ち着いた色に変わっていくのもマホガニー材の魅力といえるでしょう。
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マホガニー家具の魅力
ダイニングテーブルや椅子、チェストなど、一生物の家具を作りたいという方にマホガニーは根強い人気があります。
家具の材料としてマホガニー材を用いることで、中世ヨーロッパをイメージさせるアンティーク調の家具に仕上げることができます。
また、木材そのものが柔らかく加工がしやすいため細かな意匠も施しやすく、一点もののオリジナル家具を作りたいという方にも最適な材料といえるでしょう。
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マホガニー材のギター
マホガニー材のギターは、高級モデルに分類されており、特にヴィンテージモデルともなれば100万円単位の高値で取引されます。
主に使用されているのは、ギターの背面(バック材)やサイドで、耐久性が高く乾燥にも強いことから音の狂いが生じにくいという特性があります。
特に木材の特性によって音が変化しやすいアコースティックギターでは、マホガニー材を用いることで、音が硬すぎず低音域も含めバランスのとれたサウンドを楽しめます。
マホガニーはなぜ高い?
マホガニー材は、その希少性から幻の木材との異名も持ち、高値で取引されています。
なぜこれほどまでにマホガニーの希少性は高まったのでしょうか。
世界三大銘木に数えられるほどの美しさから、数百年前からすでにマホガニーの人気は高まっていました。
しかし、需要が爆発的に増えたことで伐採が進み、たとえばキューバンマホガニーはほぼ絶滅に近い状態にまで減少しました。
法整備によって伐採が規制された後も違法な取引は後を絶たなかったため、ついにマホガニーはワシントン条約に登録され国際的にも厳しく制限されることとなったのです。
木材購入のご相談ならフルタニランバーまで
マホガニー材は非常に希少で高価な木材であるため、ホームセンターなどで手軽に購入できるものではありません。
マホガニー材も含めて入手困難な木材をお探しの方は、石川県金沢市の木材販売会社フルタニランバーまでご相談ください。
中米・南米産マホガニーの無垢材はもちろんのこと、比較的流通量が多く手頃なサペリマホガニーも取り扱っています。
用途に応じて希望のサイズにカットしたり加工も承っておりますので、木材でお困りのことがあれば気軽にお問い合わせください。