フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
能登ヒバの音響効果を実証して新たな価値を作る!そのサウンドは??
投稿日:2023.02.09/更新日:2023.02.10
Contents
ATENOTE 能登ヒバ楽器プロジェクトについて
フルタニランバー㈱では石川県の県木「能登ヒバ(アテ)」の持つ、アロマ・防虫・抗菌効果とは異なる価値を創造し、様々な楽器メーカー様と協力して、能登ヒバの新たなブランディングを進めています。
里山の課題解決を目指し、環境問題への取組みと活性化を図る、能登ヒバ楽器プロジェクト「ATENOTE」を企画しました。
この事業は “人”と“自然”をつなぐ地域材活性化プロジェクトです。フルタニランバーで2020年9月から開始しました。
ATENOTEの本質
能登ヒバを使用した楽器事業を総称する「プロジェクト」の名前です。
自身が楽器ブランドとして楽器販売は行わず、メーカー様へ能登ヒバ材を提案し、新たな楽器材として価値を創造する事業です。
ATENOTEの目的
① 音が響きやすいとされる性質を検証し、抗菌・アロマ効果とは異なる新たな利用価値を創造する
② 地域材利用の必要性への浸透させ、環境問題への取組と林業や木材業界の活性化を図る
③ 楽器に多く使用される天然高級銘木に変わり、サスティナブルな地域材を新しい楽器材として利用価値を創造する
(能登ヒバの森)
フルタニランバーの狙い
国産材取扱いの強化とブランディング
近年、国産の地域材利用指定の相談依頼が増えています。
これまでの当社は主に外国材のラインナップが多かったため、今後、国産材の取扱いを強化とPRを行います。
新販路開拓
新たな分野での販路開拓と競争力をあげていきます。
能登ヒバを楽器材にする為の工夫
木材乾燥技術「woodbe(ウッドビー)」
改質水と抗火石の木材乾燥技術「woodbe(ウッドビー)」で乾燥し経年変化を抑えます。
改質した水で粒子を細かくし、珪素石を使用する事による化学反応を誘発する事で、木材の繊維内に浸透しやすくして、材の内部から外部へ乾燥させていく乾燥方法です。
この技術により、天然乾燥期間がゼロで乾燥でき、商品化サイクルを上げることに加え、経年変化を大幅に抑えることができ、繊細な楽器材にも使用が可能になります。
🔻woodbeについてはこちら🔻
林の圧縮硬化
材を圧縮硬化させ強化します。
材を50%程度、物理的に圧縮硬化させることでギターのネックなど反りや耐久性に敏感な箇所に使用できるようになります。
これまでに製作した楽器
楽器メーカー、販売店様 協力の元、今後もラインナップは増えていきます。
能登ヒバのサウンド
エレキギターを制作した方の印象として、音域の特性は中音域に優れ素材自体が持つ生鳴りを体で感じられ唯一無二のサウンドを有することがわかりました。
また※ハムバッカーピックアップとの相性が良く少ないコントロールで多様な音が作れます。
(※=弦の振動を検出して電気信号に変換する部品の種類の1つで、中低域の周波数が強調された独特の甘く厚みのある音質が特徴)。
またギターのネック部に使用した能登ヒバの圧縮材は、硬度が上がり耐久性が高くなることに加え、加工性、密度、音響性質において今まで置き換えることができない特殊な素材となり、楽器材使用に適した樹種に生まれ変わることが検証できています。
打楽器(ドラムセット・桶太鼓)については奏者から立ち上がりが良く、比較的硬質な音がしているとの評価です。
バイオリンについても遠くまでよく響くとの評価でした。
また音の成長が早く、楽器が馴染むスピードも高いとのことです。
こういった制作者・奏者様の意見から、能登ヒバは楽器材として活用できることを実証出来つつあります。
PRイベント
2022年9月に金沢駅前の金沢フォーラスでイベントを開催しました。
ディバイザー、島村楽器の協力の元、たくさんの方に能登ヒバのサウンドをご体感いただきました。
イベントではギタリストの有賀教平さんが能登ヒバギターのデモンストレーションにて登場。
実際にサウンドや弾き心地などは、輸入木材と遜色なく、能登ヒバの音質的な特徴もあるとお墨付きを頂きました。
またスペシャルゲストに石川県を中心にバンド活動を行うMaverick Momの南出大史さんも登場し、Headwayのアコギを弾いてくれました。
ATENOTEのこれから
能登ヒバのサウンドが実証出来つつある中、今後PR活動を強化します。
音楽イベントや講演を企画します。情報を随時発信しますので是非ご注目下さい。
そしてATENOTEの楽器はそれぞれメーカー様での受注が可能な他、島村楽器での店舗販売も行っております。
🔻詳しくはATENOTEの専用サイトをご覧ください。🔻