フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
シックハウス症候群は新築でなりやすい!?対策方法と原因について
投稿日:2022.03.03/更新日:2022.06.05
カビやダニ、化学物質などによってさまざまな身体の不調を引き起こすシックハウス症候群。
ここ数十年で住宅環境が変化してきたこともあり、シックハウス症候群の認知度は上がり一般的なものとなりました。
特に新築住宅やリフォーム直後の住宅において、シックハウス症候群の症状が現れやすい傾向がありますが、それはなぜなのでしょうか。
今回は、シックハウス症候群を引き起こす主な原因と対策方法、具体的な対策の一例も含めて詳しく紹介します。
特に、これから新築住宅を建てようとしている方、またはリフォームを検討している方にとって重要な内容となっているため、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。
Contents
シックハウス症候群とは?
シックハウス症候群とは、居住する建物に由来するさまざまな健康障害のことを指します。
シックハウス症候群は医学的に厳密に定義されているものではありませんが、主な症状としては以下のようなものが挙げられます。
全身に関わる症状
- ・めまい
- ・吐き気
- ・嘔吐
- ・頭痛
- ・疲れやすい
- ・皮膚の紅斑
- ・蕁麻疹
- ・湿疹
- ・皮膚の乾燥 など
顔に現れる症状
- ・鼻の乾燥・刺激感
- ・鼻水
- ・涙目
- ・目がチカチカする
- ・唇の乾燥
- ・咳
- ・喉の乾燥 など
なお、シックハウス症候群は一戸建てやマンション、アパートといった一般住宅以外にも、オフィスビルや工場などの施設内でも症状が現れることがあります。
特定の建物の中に入ると上記の症状が現れ、反対に建物の外に出ると症状が治まったり緩和されたりする場合には、シックハウス症候群の可能性が疑われます。
シックハウス症候群の原因とは?
シックハウス症候群を発症するメカニズムは十分解明されていないものの、近年の住宅やビルは気密性が高くなっていることが密接に関連しているといわれています。
従来の伝統的な日本家屋はふすまや障子、床には畳が敷かれており、通気性が高い特徴がありました。しかし、近年の住宅は壁にコンクリート、床にはフローリングが敷かれ、空気が外に逃げづらい構造に変化しています。
気密性の高い住宅は冷房や暖房の効率が良く、省エネにつながるという観点ではメリットも多いです。
しかし、その一方でさまざまな有害物質が室内にこもるようになり、シックハウス症候群の原因になってると考えられています。
シックハウス症候群の原因①建材に含まれる化学物質
建物を建設する際に使用されるのは木材だけでなく、塗料や接着剤などさまざまな溶剤も含まれます。
自然由来の木材とは異なり、塗料や接着剤にはさまざまな化学物質が含まれているため、これらに過敏な体質の方にとってはアレルギー反応のような症状を引き起こしやすくなります。
さらに、化学物質は建材だけでなく、家具や内装にも使用されています。
特に壁紙として使用されるクロスの貼り付けには接着剤が多用されることが多いほか、食器棚やタンス、テーブルなどには鮮やかな見た目を維持するための塗料やワックスなどが使用されることも。
当然のことながらメーカーや施工業者も安全性に配慮してはいるものの、化学物質を完全に排除することはできないのが現状です。
シックハウス症候群の原因②換気不足によるカビやダニ
気密性が高い住宅は空気の逃げ場がなく、通気性が悪くなるデメリットもあります。特に梅雨の季節などは湿気が屋内にこもりやすく、カビの発生原因になることも。
また、空気が循環せず日当たりが悪い場所では、ダニも発生しやすく、ダニの死骸が室内を浮遊しシックハウス症候群を引き起こす原因にもなります。
シックハウス症候群が新築でなりやすい理由
住宅やビルを建設してから時間が経過すると、建材に含まれる化学物質は徐々に放散していき人体への影響度合いが低下していきます。
しかし、新築住宅の場合、壁紙の接着などに使用した溶剤から多くの化学物質が放散される段階のため、シックハウス症候群の症状が現れやすい傾向があります。
また、周囲の環境によっては屋外からのホコリや虫などの侵入を防ぐため、窓を開放したがらない心理が働きます。
入居して間もない新築住宅の場合、室内をできるだけきれいに使いたいという考えもあり、換気の頻度は自然と低下していくでしょう。このような要因から、完成して間もない新築住宅ほどシックハウス症候群の症状が現れやすくなるのです。
シックハウス症候群の対策は?
シックハウス症候群にはさまざまな原因が考えられるため、「これをすれば完全に予防できる」といった対策はありません。しかし、いくつかの基本的なポイントを押さえておけばシックハウス症候群のリスクを低減できることは事実です。
特に覚えておきたい2つの対策を紹介しましょう。
こまめな換気
まずは室内に空気がこもらないよう、こまめな換気を心がけることが重要です。
特に梅雨から夏の湿度が高くなる時期においては、外から帰ってきたら窓を開放し空気を入れ替えましょう。
このとき重要なのは、空気が効率よく循環するように2か所以上の窓を開けることです。
もし、部屋の両サイド、または対角線上に窓がある場合には、その両方を開けることで空気の通り道ができ、短時間で空気が入れ替わります。
自宅にいる機会が多い休日などは、数時間おきにこまめに換気をするように心がけましょう。
施工業者への相談と確認
新築住宅を建設したり、古い住宅をリフォームしたりする際には、できるだけ化学物質の使用量を減らせるように施工業者へ相談してみましょう。
シックハウス症候群のリスクを低減するために、建築基準法や建築物衛生法などでは化学物質の使用量測定や換気設備の設置などが義務づけられています。
また、JISやJASといった規格に対応した建材は、建材から放散される化学物質の量をレベルに合わせて表示しています。
過去にシックハウス症候群の症状が現れた経験がある方は、特に入念に施工業者へ相談しておきましょう。
シックハウス症候群のリスクを軽減するおすすめの内壁
さまざまな種類の建材のなかでも、内壁に使用する塗料や壁紙は使用面積が大きいため、シックハウス症候群の原因になるリスクも増大しがちです。
では、シックハウス症候群のリスクを少しでも軽減するために、どのような内壁を選べば良いのでしょうか。特におすすめの素材を2つ紹介します。
多機能塗材『輝・キララ』
『輝・キララ』は、化石サンゴを含む天然由来成分を原料に作られた多機能塗材です。
カビ抵抗性や抗菌性、消臭性、吸放湿性の機能を有しているほか、ホルムアルデヒド放散量は「F☆☆☆☆」を取得。
これはもっとも低い放散量のレベルを表します。さらに、厚生労働省が定めるガイドラインの基準を下回っていることの証明である「VOC」や、「TOVC(JIS A 1901)」も取得。
塗材のため既存の壁の上から施工できることも魅力のひとつで、内装に合わせて32のカラーから選ぶこともできます。
このように、『輝・キララ』はシックハウス症候群対策として高い安全性が証明されていると同時に、施工も簡単でさまざまな内装に応用できる強みがあります。
木材を使用した内装
シックハウス症候群のリスクを少しでも低減するためには、人工物ではなく自然由来の素材をうまく活用することが重要です。
もし、これから新築住宅を建てる場合や、大規模なリフォームを行う予定がある場合には、内壁の素材として木材を選ぶことがおすすめです。
特に無垢材は化学物質の使用量が抑えられており、シックハウス症候群のリスクを大幅に軽減できるでしょう。
ただし、同じ木材でも集成材や合板の場合、艶出しや木材同士を接着するためにさまざまな化学物質が使用されていることも多いため、建材選びは重要なポイントとなります。
まとめ
シックハウス症候群の原因となるのはカビやダニといった生活環境に起因するものだけでなく、建材に使用される接着剤や塗料といった溶剤も大きく関連していることが分かりました。
根本的な要因には住宅の気密性が上がっており、空気が室内にこもりがちになっていることが挙げられますが、こまめな換気を繰り返すことで緩和される可能性も高いでしょう。
化学物質を原因とするシックハウス症候群の対策としては、今回紹介した内壁のように自然由来の素材を選ぶことも重要です。
まずは工事を依頼する施工業者へ相談し、予算の範囲内で可能な対策を講じるようにしましょう。