石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

石川県の地域材について|木材の種類(スギ、能登ヒバ等)

投稿日:2021.06.09/更新日:2022.06.05

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私たちの生活をより豊かに、そして安全なものにするために、国としても森林の活用方法について様々な議論が重ねられてきました。

 

 

その結果、地域材の利用方法について見直し、積極的な活用が求められるようになりました。

今回は、石川県の地域材とその必要性について触れていきます。地域材の利用に興味のある人は参考にしてみてください。

 

 

石川県の木材①地域材の必要性

木材

近年、地域材の利用促進が進んでいます。木材を植えるだけではなく、育てて利用し、また新たに植えるというサイクルが円滑に進むことで、山村は活性化できるようになります。

 

 

森林が元気な状態になることで、地球温暖化の対策として求められている二酸化炭素の吸収能力も維持向上できます。

 

 

また、間伐などきちんと手入れの行き届いた森林は、根が発達し、下草が生えて土壌が保持できる状態になるため、土砂崩れなどの防止としても大きな働きが担えるようになります。

 

 

しかしながら、国産材の供給量はとても少なく、国内全体で見ても木材需要量のわずか3割程度となっているのが現状です。

 

 

日本には元々森林が多く、人工林はそのうち約6割を占めています。

また、森林資源の蓄積量も年々増加しており、成長して利用できる状態の木材もどんどん増えています。

 

 

それにも関わらず、国産材ではなく人工建材や外国材が多く使われているため、国産材はうまく利用できているとは言えない状態です。

 

 

さらに、林業が高齢化や担い手不足により生産性が低下していることも、国産材の利用が増えない要因のひとつになっています。結果として、手入れされず放置され、荒廃した森林も出てくるようになりました。

 

 

そのような状態では、森林は本来の能力を発揮することができません。

二酸化炭素の吸収量が低下したり、土壌が保持できなくなって土砂崩れなどが起こりやすくなったりなど、様々な弊害が出てくるようになります。

 

 

このような状態を回避するため、林業を活性化する必要があります。そして、各地域の木材・地域材の利用促進が重要になります。

 

 

 

 

石川県の地域材②ヒバとスギ

森林

石川県の能登半島では、輪島市や穴水町を中心としたエリアで、前記事でも取り上げた県木の「アテ」が多く植えられています。

 

 

この「アテ」は、ヒノキ科アスナロ属であるヒノキアスナロという木のことを指しており、能登ヒバとも呼ばれています。

このヒバという木は、青森県や石川県など限られたエリアでしか見ることができません。

 

 

一方、石川県はスギの生産地としても知られています。スギは調湿、調温効果があり、柔らかいため肌馴染みのよい木材です。

小松市など、南加賀地域を中心としている場所で育つ加賀杉は、建材として利用されることも多い、良質な木材のひとつです。

 

 

粘り強さを特徴としており、色目は赤みがかっており、その表情の美しさには定評があります。

 

 

その他にも、白山市や小松市の一部で生産されているクワジマスギや、津幡町など能登地方を中心とした地域で多く見られるカワイダニスギなど、石川県では様々な品種のスギが生産されています。

 

 

石川県の地域材③地域材の現状

木材

石川県において、その土地の約7割を占める面積が森林となっており、さらにこのうち約4割の部分が県木であるアテ(能登ヒバ)やスギなどによる人工林となっています。

 

 

また、森林面積のうち国有林は約1割程度、9割が民有林となっています。

 

 

かつては植えて育てる時代とされていましたが、戦後に植林され、伐採適齢期を迎えた人工林が多いこともあり、方向転換が求められるようになってきました。

 

 

今後は、ますます積極的な利活用が求められるようになります。

石川県では平成30年に石川県県産材利用促進条例を設け、森林資源の循環利用を促進するために様々な取り組みを推進しています。

 

 

県内における木材産業に目を向けてみましょう。昭和55年頃に原木の需要量はピークを迎え、その後徐々に減少していっています。

 

 

平成21年には30万立米を下回りましたが、その後は増加傾向を辿っています。

 

 

また、かつては外国産を使用することが多く、国産材が使われる割合は少なかったのですが、徐々に国産材が活用される機会も増えていき、平成20年以降は外国産よりも国産材の方が多く使われるようになっています。

 

 

今後もますます国産材に対する需要が増すと予想されます。

 

 

県産材の利用の多くが住宅で、柱や間柱などに利用されています。桁や梁、土台といった大きな部材にはまだ外国産のものが使われることがほとんどで、その結果、住宅全体として見てみると県産材が使われるのは14%となっています。

 

 

県外の国産材を含めたとしても、30%を下回っており、今後はこれらの課題にも取り組む必要があります。

 

 

 

 

石川県の地域材④行政物件の活用例

橋

石川県では、平成10年度より「石川県産材活用推進プロジェクト―チーム」を設置し、県産材の利用促進に取り組んでいました。

 

 

平成22年に「公共建築物における木材の促進に関する法律」が施行されたことを受け、翌年に「石川県内の公共建築物・公共土木工事等における木材利用方針」を定めて、県産材の利用をさらに促進しています。

 

 

2020年7月に復元整備された金沢城公園(金沢市)の鼠多門(ねずみたもん)には、石川県産の能登ヒバやスギなどの県産材が使用されています。

 

 

石川県七尾市にある公共施設、七尾市中心市街地観光交流センターは、建設の際に地域材を積極的に利用しました。

 

 

木造瓦葺平屋2棟は伝統的な七尾町屋をイメージしたものとなっており、無垢材を利用して在来工法でつくった土蔵や、ダイナミックな見せ梁など、伝統的な美しさを感じられるものとなっています。

 

 

利用された木材265立米のうち、県産材は243立米となっており、9割以上を占めています。また、間伐材もたくさん利用しており、趣のある景観づくりに大きな役割を担っています。

 

 

また、白山市峰地内にある白山室堂公衆トイレでは、木造平屋建ての建物を計画する際に20立米の県産材が利用されました。

 

 

さらに、加賀市にある二級河川、三谷川では桟橋補修工事をする際に13立米の県産材が用いられているようです。令和元年度においては、建築工事で181立米、土木工事552立米、合計で733立米の県産材が利用されており、今後ますますの利用促進が期待されています。

 

 

石川県の地域材⑤これからの木材

森

公共建築だけでなく、地域材は住宅や店舗の建設時にも、構造材や内装材など様々な形で活用することができます。

また、テーブルや椅子などの家具や、鉛筆、カバンなど身の回りの製品に取り入れて、地域材が持つ温もりや香りを楽しむこともできます。

 

 

せっけんやオイルなど、様々なジャンルで活用されており、まだまだアイデアは広げられていきそうです。

 

 

フルタニランバーでは地域材の利用促進を進めています。また石川県の木だけではなく、日本全国の業界ネットワークでその地域特有の木を証明書付きで手配できます。今後、当社では国産材・地域材の取扱いを強化していきます。

 

 

このサイトでは木材を探している事業者が見たくなるようなブログを発信しているので違う記事も見ていただければと思います。

 

 

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