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コラム「森のフルタニさん」

樺(カバ・カンバ)の木材としての特徴や用途について詳しく解説!

投稿日:2024.11.28/更新日:2024.11.28

主に寒冷地に広く分布し、様々な用途で使われている樺(カバ・カンバ)と呼ばれる木材があります。

 

あまり知られていませんが、樺の木材は古くから身近なところで幅広く使われています。樺の木材としての特徴や用途を詳しく解説します。

 

樺(カバ・カンバ)とは?

樺(カバ・カンバ)とはカバノキ属に分類される広葉樹です。他の植物が育ちにくい厳しい環境でも自生することができ、成長速度も速い木です。

 

そのため、木材として使用されるだけでなく二酸化炭素を吸収させるために植樹する木としても注目されています。

 

成長が早いかわりに木としての寿命は短いですが、高原や高い山でも自生し、冬の厳しい寒さにも耐えられるほど力強い木です。

 

樺の種類について

樺には様々な種類があります。寒冷地に自生しているイメージが強い樺ですが、温暖な地域でも自生している種類もあります。

 

木材としてよく利用されている樺の代表的な種類を紹介します。

 

白樺(シラカンバ)

樹皮が白いことから「白樺(シラカバ)」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「シラカンバ」といいます。

 

沼沢地や山の低地に生えていることが多く、白樺湖や白樺高原といった観光スポットでも見ることができます。

 

また白樺から取れる樹液には、キシリトールの原料となる「キシラン・ヘミセルロース」という成分が含まれています。

 

岳樺(ダケカンバ)

他の樺木材の代替として使われることが多いことから、「代樺(ダケカンバ)」とも呼ばれています。

 

高山に生えることが多く、山の斜面や岩の上にも自生できるほど逞しい木で、冬の厳しい風雪の中でも耐えることができます。

 

鵜松樺(ウダイカンバ)

別名「真樺(マカンバ)」とも呼ばれ、建物の内装や家具に使用されることが多く、様々な種類がある樺の中でも高級な木材です。

 

木材としての材質や木肌の見た目がサクラに似ていることから、木材を取り扱う業界の中では別名「カバザクラ」とも呼ばれています。

 

ミズメ(アズサ)

別名「ミズメザクラ」とも呼ばれる種類の樺で、寒い地域だけでなく四国や九州などの温かい地域でも自生しています。

 

ウダイカンバ同様に、材質や樹皮の模様がサクラに似ていることから「ミズメザクラ」とも呼ばれています。

 

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樺の木材としての特徴

樺の木を使用した木材は、その特徴を活かして幅広い用途で使われています。主な特徴を4つ紹介します。

 

美しい木肌と木目

樺の木肌はとても滑らかで、きめ細かな木目が自然な風合いを感じさせます。

 

美しい木目を活かして、内装や工芸品など様々な用途で使われています。

 

また、自然な風合いを活かした製品は、やさしい雰囲気を生み出してくれます。

 

高い耐久性と強度

見た目の美しさとは裏腹に、とても高い耐久性と強度を持ち合わせています。

 

また乾燥後の変形が少なく摩耗にも強いので、樺の木材から疲れた製品は長い期間使用することができます。

加工のしやすさ

樺の木材は、切断や削り出しなどの加工がとてもしやすいという特徴があります。

 

また木に含まれている油分が少ないため、接着剤や塗料が馴染みやすく、家具や工芸品の材料としても広く使われています。

 

経年変化の少なさ

他の木材と比べて経年による色の変化が少なく、同じ風合いを長く維持することができます。

 

長く色味を維持できるだけでなく、経年による変形や歪みが少なく、高い強度と耐久性も持ち合わせています。

 

樺で作られた製品は、経年による様々な変化が少ないことから長い期間使うことができます。

 

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樺の木材の主な用途

見た目の美しさだけでなく高い耐久性などの特徴も持つ樺の木材は、幅広い用途で使われています。

 

家具材

樺の木材は美しい木目と耐久性の両方を兼ね備えています。その特徴を活かして、ダイニングテーブルやテレビボードなど、家具の材料として幅広く使われています。

 

優しい雰囲気と明るい色合いから、北欧風インテリアなどのナチュラルテイストが好きな人に人気があります。

 

建築内装材

高い耐久性と強度があるため、フローリングや建具などの内装材として使われています。

 

樺から作られた内装材は、明るく自然な空間を演出してくれます。

 

樺は摩耗性が高く、他の広葉樹と比較して柔軟性もあるので、体育館やダンススタジオなどの床材にもよく使用されています。

 

楽器

木材としての安定性や摩耗性、耐久性の高さからドラムスティックやピアノの弦を叩くハンマー部分など、楽器の材料としても使われています。

 

他にも、樺の樹皮は雅楽楽器の表面を巻く材料としても古くから使われています。

 

工芸品・木工品

木目が美しく滑らかで、切断や削り出しなどの加工がしやすい樺の木材は、工芸品や木工品の材料として古くから使われています。

 

樺から作られた器は自然な風合いをもち、独特な美しさを表現します。

 

良い樺の木材の見分け方

樺を材料として使う場合、良い木材を選ばないと樺の魅力や特性を十分に活かすことはできません。

 

良い樺の木材を見分けるときのポイントは、大きく分けて4つあります。

 

木目の均一性

樺の木目は微密で美しいという特徴を持っていますが、中には均一でない木材も流通しています。

 

木目の美しさが特徴のひとつである樺の魅力を活かすため、木目が均一なものを選ぶことがポイントです。

 

色合いの確認

樺を使った家具や内装は、全体の雰囲気をナチュラルなテイストに仕上げてくれます。

 

色味によって雰囲気が変わってくるので、使用する場所のイメージや自分の好みに合った色合いの木材を探してください。

 

乾燥状態の確認

乾燥後の変形が少ない樺ですが、しっかりと乾燥していない状態で加工すると変形する可能性があります。

 

選ぶときはしっかりと乾燥したものを選んでください。

 

乾燥状態は見た目だけでは判断が難しいので、取り扱っている木材店や家具屋さんに聞くのがおすすめです。

 

用途と耐久性の確認

高い耐久性が求められる場所で使用する場合は、厚みやひび割れの有無をしっかり確認することが大切です。

 

特に家具や内装材で使用する場合、厚みが足りないと重量に耐えられず破損する可能性があります。厚みが足りていても、ヒビや歪みがあると破損の原因になります。

 

木材全体をしっかり確認してから購入しましょう。

 

樺の木材の価格

樺の価格は品質やサイズ、加工の有無などによって異なります。また購入するお店によっても上下します。

 

あくまでも参考ですが、テーブルの材料としても人気がある無垢材の一枚板の価格は、およそ20万円前後です。

 

(厚み45mm×幅980mm×長さ2,000mmの場合)木目などにより価格は大きく異なってきます。

 

どの木を選ぶかは好みにもよりますが、木目の美しさや耐久性を考慮すると樺は比較的リーズナブルな木材といえます。

 

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まとめ

樺の木材は見た目が美しく耐久性もあるため、建材としてだけではなく工芸品や楽器の材料としても使われています。経年劣化も少ないため長く使えることも樺の魅力です。

 

また成長が早いことから、二酸化炭素の吸収源としてカーボンニュートラルに向けた利用も検討されています。

 

幅広く使われている樺ならではの魅力を楽しんでください。