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フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

ブビンガとは?木材としての特徴や価格について詳しく解説

投稿日:2024.10.04/更新日:2024.10.11

ブビンガ 木材

一点物のこだわりの家具や注文住宅の内装、楽器などの製造にあたっては、質の高い木材にもこだわりたいものです。

 

耐久性が高く見た目にも美しい高級木材はさまざまなものがありますが、中でも重厚感が感じられ実用性に優れているのが「ブビンガ」とよばれる樹種の木材です。

 

本記事では、ブビンガの木材にはどういった特徴があるのか、主な用途や気になる価格相場まで詳しくご紹介します。

 

ブビンガとは?

ブビンガとはアフリカを中心とした熱帯地域原産の常緑広葉樹です。

 

ジャケツイバラ亜科ブビンガ属の一種であり、3つの近縁種を総称して「ブビンガ」とよばれることが多いです。

 

ブビンガは湿地帯や沼地などに群生する特徴があり、成長すると直径3メートル、高さは30メートルにも達します。

 

ひときわ存在感のある姿から、現地では「神が宿る木」として信仰の対象にもなっており、長年にわたって人々の生活を支えてきました。

 

ちなみに、ブビンガという名称はカメルーン発祥ですが、これ以外にも「エシンガン」や「ワカ」、「エバナ」などとよばれることもあります。

 

海外原産で日本国内では産出されていないこともあり、一般的には聞き馴染みのない樹種ですが、家具や建築材、楽器などさまざまな用途に使用されています。

 

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ブビンガの木材としての特徴

木材として加工した場合、ほかの樹種と比べてブビンガにはどういった特徴やメリットがあるのでしょうか。

 

非常に硬く重い

常緑広葉樹の一種であるブビンガは、長い歳月をかけてゆっくりと成長していきます。

 

短期間で成長する針葉樹に比べて密度が非常に高く、木材そのものに硬さがありずっしりと重量感があることも大きな特徴です。

 

加工がしにくいという難点はあるものの、その分耐久性に優れており高級家具などにも重宝されます。

 

耐摩耗性が高い

木材そのものが硬いということは、摩耗にも強いことを意味します。

 

家具や内装材などにブビンガ材を使用することで、摩耗や細かな傷がつきにくく美しい見た目を維持できます。

 

また、清掃の際に布で拭き上げても摩耗しにくいため、メンテナンスの手間や時間も削減できるでしょう。

 

杢目が美しい

ブビンガを横方向に裁断すると外側は淡い黄色をしており、中心部にかけて赤みが強い褐色が見られます。

 

また、縦方向に裁断すると独特の美しい杢目が現れることもあり、高級感あふれる見た目も大きな特徴のひとつです。

 

ブビンガが人気なのは硬く摩耗に強いという特性もありますが、深みのある色や見事な杢目も重要な要素であり、特に美術的価値の高い家具には最適な材料といえるのです。

 

シロアリに強い

家具や建材として木材を使用する場合、大きなリスクとなるのがシロアリなどの害虫被害です。

 

ブビンガは木材そのものが硬く密度も高いため、シロアリに強く長期間にわたって安心して使用することができます。

 

ブビンガの木材としての用途

ブビンガは幅広い用途に活用され私たちの生活を支えていますが、具体的にどういった用途が挙げられるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。

 

一枚板のテーブルやカウンター

家具の代表的な用途として挙げられるのが、テーブルやカウンターの天板です。

 

直径3メートルにも達することから、一枚板として切り出したブビンガの無垢材は天板に最適な材料のひとつです。

 

使いやすいように直線的にカットされた天板も良いですが、自然の造形をそのまま活かしたブビンガの天板は一点ものの高級家具として人気があります。

 

また、テーブルやカウンターは食器やグラスを置いたり、毎日のように人の手が触れるため高い耐久性も求められます。

 

ブビンガは硬く摩耗に強い特性を持ち合わせていることから、家具に適した材料ともいえるのです。

 

内装材

内装材としては、主にフローリングやドアなどにブビンガが用いられることもあります。

 

天板と同様、フローリングも日常的に圧力や摩擦が加わりやすいため、硬く耐久性に優れたブビンガは理想的な木材といえるでしょう。

 

また、ドアに使用することでブビンガの美しい杢目が楽しめるほか、ドアを開閉する際も重厚な雰囲気を感じられます。

 

楽器

太鼓やギターといった楽器にもブビンガが用いられることがあります。

 

たとえば、和太鼓の胴の部分には、かつて国産のケヤキ材が多く使用されてきましたが、幹が太く成長した高品質のケヤキ材を確保するのが難しくなったこともあり、代用材としてブビンガ材が多く用いられるようになりました。

 

また、エレキギターやベースのボディにもブビンガ材は使用されています。

 

密度が高くずっしりとしたブビンガ材は、楽器に使用することでクリアでシャープな音が楽しめるほか、音の立ち上がりも早いという特性があります。

 

また、美しい杢目が見られるブビンガ材を使用することで、見た目にも華やかな楽器に仕上がります。

 

ナイフの柄や銃床

その他の代表的な用途として挙げられるのが、ナイフの柄や銃床(銃の発射時に生じる反動を低減するために肩に当てる部品)です。

 

これらは使い方を一歩間違うとケガをする危険があるため、手で持ったり操作したりする部分にはある程度の重さを確保し安定性を高める必要があります。

 

密度が高くずっしりと重量感のあるブビンガ材は最適な木材であり、古くから重宝されてきた歴史があります。

 

ブビンガの経年変化

高級家具や内装材、楽器などは長年にわたって使用し続けることが前提となるため、時間の経過とともに木材がどのように変化していくのか気になる方も多いのではないでしょうか。

 

ブビンガは経年変化によって深みのある色が楽しめる木材でもあります。

 

伐採から加工して間もない頃は淡い色と華やかな赤みが楽しめますが、木の表面が紫外線や空気に触れることでワインレッドのような深みのある濃い色に変化していき、それと同時に少しずつ艶も出てきます。

 

時間の経過とともに変化する表情を楽しめるのも、一生物の家具や内装、楽器の材料として人気が高い理由のひとつといえるのです。

 

関連記事:木材加工とはどんな加工?種類や機械、依頼する業者を選ぶポイント

 

ブビンガの輸出入制限

ブビンガはかつて世界の国々に輸出され、上記でご紹介したように家具や内装材、楽器などに広く活用されてきました。

 

しかし、そもそもブビンガは長い歳月をかけてゆっくり成長する樹木であるため、急速な需要の増加に対して供給が追いつかなくなってきたのです。

 

その結果、2017年にはワシントン条約の改正に伴いブビンガが附属書に指定され、輸出入制限の対象となりました。

 

輸出入が一切禁止されているというわけではありませんが、輸出の際には産地証明をはじめとしたさまざまな手続きが必要であり、入手には高いハードルをクリアしなければなりません。

 

そのため、一般的なホームセンターや材木店などでは手軽に入手できない可能性も高いのです。

 

ブビンガ木材の価格

高級木材のひとつに数えられるようになったブビンガ材ですが、だからこそ家具や楽器などの材料として入手したいと考える方も多いでしょう。

 

そこで気になるのが価格相場ではないでしょうか。

 

ブビンガ材の中でも特に需要の高いのが無垢の一枚板ですが、長さや幅、厚みによっても価格は大きく異なります。

 

たとえば、4人がけテーブルの天板に最適な200cm×100cm程度の小さいサイズであれば、50万円程度から購入できるものもあります。

 

しかし、それ以上の長さ2メートル、3メートルといった大型の一枚板の場合は数百万円に達するものも少なくありません。

 

また、比較的小さなサイズの一枚板であっても、「玉杢」とよばれる美しい杢目のものは200万円を超えることもあります。

 

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まとめ

輸出入制限によって入手困難となったブビンガ材ですが、家具や内装材、楽器の材料として高品質な無垢材をお探しの方はフルタニランバーまでご相談ください。

 

フルタニランバーでは国内外から高品質な木材を仕入れており、ブビンガをはじめとしてさまざまな樹種を取り扱っています。

 

また、無垢材や一枚板としての販売はもちろんのこと、任意のサイズにカット・加工しての納品や、テーブルやカウンターの天板へ加工することも可能です。

 

近隣にブビンガ材を取り扱っている材木店がない方や、高品質なブビンガ材をお探しの方は、まずは一度フルタニランバーまでお問い合わせください。