石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

クリ材(チェスナット)の特徴や建具に合う理由|後悔する人がいる?

投稿日:2023.04.30/更新日:2023.05.01

クリ材(チェスナット)は日本国内はもちろんのこと、海外でも人気の高い木材です。

 

特に建具やフローリングなどの用途に用いられることが多く、その美しい見た目と独特の香りから高級感があり、高い満足度を得られるでしょう。

 

しかし一方で、クリ材にもさまざまなデメリットや問題点はあり、購入した後で後悔する人も存在します。

 

本記事では、クリ材とはどういった木材なのか、基本的な特徴や用途などを紹介するとともに、押さえておきたいメリットとデメリットについても詳しく解説します。

 

クリ材(チェスナット)の特徴とは?木材の特徴

クリ材にはどのような特徴があるのでしょうか。

 

色や木目、香り、強度などの項目に分けて解説します。

色・木目

クリ材は、独特の温かみのある色合いが特徴的です。

 

心材部分は淡い黄褐色または赤褐色であるのに対し、辺材部分は白っぽい色をしています。

 

木目には独特の波模様が現れることがあるほか、年輪の境目がはっきりしているため美しく、高級感があります。

香り

クリ材には独特の甘い香りがあります。

 

これは、クリの木に含まれるタンニンによるもので、内装材として活用することで高級感を感じさせてくれます。

木材としての耐久年数・強度

クリ材は、適切に保護・メンテナンスされていれば、数十年から100年以上もの耐久性が期待できます。

 

湿気にも強いため、洗面所や脱衣所、キッチンなどの水回りに使用されることも少なくありません。

経年変化

クリ材は経年変化によって色が変わり、深みが増すという特徴があります。

 

年数の経過とともに木目の輪郭や模様が鮮明になることも多く、フローリングなどの内装材や家具に使用することで、独特の味わいが楽しめます。

 

クリ材(チェスナット)の産地による違い

一口にクリ材といってもさまざまな国・地域で生産されており、産地によっても違いが見られます。

日本

日本産のクリ材は、淡い黄色または茶色がかった色味が特徴的で、木目は細かく直線的である一方、ところどころに波状の木目も見られます。

中国

中国産のクリ材は、日本産のクリ材に比べて色味が濃く、黄褐色または赤褐色をしています。

 

木目は荒い傾向が見られますが、独特の個性的な模様が楽しめます。

アメリカ

北アメリカ産のクリ材は木目が細かく、淡い黄褐色から濃い赤褐色まで幅があります。

 

ただし、アメリカンチェスナットは20世紀初頭に発生した病害によりほとんどが絶滅してしまったため、希少価値が高くなっています。

 

クリ材(チェスナット)のメリット

建材や内装材などの用途として考えたとき、クリ材にはどういったメリットがあるのでしょうか。

見た目が美しく高級感がある

クリ材は美しく個性的な木目をしており、年輪の境目もはっきりと確認できます。

 

独特の波状の模様はクリ材にしか見られない特徴で、経年変化も楽しめます。

 

そのため、家具や内装材として使われることが多く、その高級感から所有者の満足度を高めてくれるでしょう。

腐食や湿気に強く耐久性が高い

クリ材に含まれているタンニンは、独特の甘い香りを醸し出すだけでなく、腐食を抑える効果もあります。

 

また、クリ材は湿気に強い特性も持ち合わせており、水回りの内装材にも使用されることがあります。

 

さらに、建材の用途としては基礎や土台の部分にも使用されることが多く、防腐処理をしなくても優れた耐久性を発揮してくれます。

 

クリ材(チェスナット)で後悔する人がいる?

メリットとは対照的に、クリ材にはさまざまなデメリットもあり、選んで後悔する人も少なくありません。

 

どういった点がデメリットとして挙げられるのでしょうか。

加工がしにくい

クリ材は優れた耐久性を発揮する一方で、木材そのものが硬いため加工がしにくいです。

 

切削や曲げなどの加工が難しいため、細かな意匠を施した家具や彫刻、工芸品などの製作には不向きといえるでしょう。

価格が高価

クリ材は木材のなかでも高価な部類に入り、コストがかかります。

 

たとえば、クリの無垢材をフローリングに採用したところ、想定以上の金額が請求されたというケースもあるようです。

 

タモやナラに比べると安価です。

 

また供給量も安定しており、今後、需要も更に増えると思われます。

 

 

クリ材(チェスナット)が建具に合う理由

クリ材の用途はさまざまですが、なかでも建具(ドアや扉、窓枠、仕切りなど)に使用されることが多くあります。

 

それはなぜなのでしょうか。

耐久性が高い

ドアや扉は毎日のように開閉するため、建具として採用するためには十分な硬さや丈夫さをもった木材が適しています。

 

クリ材は木材のなかでも耐久性に優れていることから、建具に採用されるケースが多い傾向にあるのです。

経年変化が楽しめる

クリ材は木目や色味の経年変化が楽しめます。

 

年数が経過するたびに表情を変えることから、何十年と住み続ける住宅の建具には最適な木材といえるのです。

膨張・伸縮が比較的少ない

ドアや窓の開閉をスムーズに行うために、建具部分の膨張や伸縮は大敵といえます。

 

木材は湿気を吸収したり放出したりする性質をもっているため、膨張や伸縮が生じます。

 

しかし、木材の種類によっても膨張や伸縮の割合は異なり、建具として使用する場合には膨張・伸縮率の低いものが理想的です。

 

クリ材は数ある木材のなかでも膨張・伸縮率が比較的少なく、建具に適しています。

 

クリ材(チェスナット)の無垢フローリングが人気なワケ

クリ材は建具以外にも、無垢材を贅沢に使用したフローリングに採用されることもあります。

 

なぜクリ材の無垢フローリングは人気が高いのか、その理由を紹介しましょう。

耐久性が高い

廊下や部屋のなかを毎日行き来しているとフローリング材が劣化し、たわみが生じてくることがあります。

 

しかし、クリ材は木材そのものが固く優れた強度を発揮してくれるため、長く使い続けられるのです。

 

また、木材の固さだけでなく、クリ材に含まれるタンニンによって防腐効果防虫効果が得られることも人気の秘密です。

メンテナンスやお手入れが簡単

クリ材の無垢フローリングは、メンテナンスやお手入れが簡単にできることも大きなメリットです。

 

もともと耐水性や防湿性に優れているため、水分をこぼしてもサッと拭き取るだけでよく、床材そのものも固いため傷がつきにくい特性もあります。

木目が美しい

無垢フローリングにこだわる方の多くは、木本来の美しさや魅力を感じ、多少コストをかけてでも高品質なものを選択する傾向にあります。

 

無垢フローリングにはさまざまな木材が用いられますが、そのなかでもクリ材は木目が美しく、無垢材の魅力を存分に感じられる特徴があるのです。

 

クリ材(チェスナット)に使われる家具

クリ材は固く加工がしにくいため、細かな意匠が施される製品には不向きと紹介しました。

 

しかし、実際には一部の家具にクリ材が使用されることも少なくありません。

 

代表的な製品をいくつか紹介しましょう。

ダイニングテーブル

ダイニングテーブルの天板にクリ材の一枚板が使用されることがあります。

 

日常的に食器やカトラリーを置いて使用することから、固く傷がつきにくいクリ材はテーブルの天板として最適な木材といえるでしょう。

 

また、加工の観点から考えても、板を一定の厚さに削り出して成形することから、製造の難易度はそれほど高くないといえます。

収納家具

タンスや引き出し、食器棚などの収納家具にもクリ材が使用されることがあります。

 

これらの製品は何十年と使用し続けることも多いため、経年変化が楽しめるクリ材は最適です。

 

また、衛生的な観点からも、防虫・防腐効果のあるクリ材は理にかなった木材といえるでしょう。

テレビ台

テレビやオーディオ機器などを設置するテレビ台にもクリ材が用いられることがあります。

 

重量のある家電製品を設置しても傷や凹みがつきにくく、優れた耐久性を発揮してくれることからクリ材は適しています。

 

関連記事:家具や木造住宅に使用される人気の木材の種類一覧やそれぞれの特徴

 

クリ材(チェスナット)の平均価格帯

建具や内装材、家具材などにクリ材を採用する場合、大きな懸念材料となるのが価格ではないでしょうか。

 

クリ材は比較的単価が高く、高級木材のひとつでもあります。

 

販売店や木材の種類・サイズによっても価格は大きく異なりますが、たとえば長さが200cm、幅が30cm、厚さ3cm程度の一枚板の場合、1枚あたりの価格は4,000〜6,000円程度が相場となっています。

 

また、無垢フローリング材は1平米あたり5,000〜7,000円程度が相場となっています。

 

フルタ二ランバーでのクリ材(チェスナット)の取り扱い

石川県金沢市のフルタニランバーでは、クリを原料とした無垢板材やフローリング材を取り扱っています。

 

国産材はもちろん、海外の高品質な木材も多数取り扱っており、用途や目的に応じた製品選びをサポートさせていただきます。

 

また、単に木材を販売するだけでなく、高品質・高精度の製品加工にも対応しています。

 

たとえば、クリ材を使用したテーブルの天板や家具の寸法にカットしたり、塗装まで行い美しい見た目に仕上げることも可能です。

 

少量多品種の加工にも対応しているため、必要な部材があれば1本からでも手軽にオーダーできます。

 

まとめ

クリ材は日本国内ではもちろんのこと、海外においてもさまざまな国で古くから活用されてきた木材です。

 

固さがあり優れた強度を発揮してくれるため、建具やフローリング、家具などの用途にも最適です。

 

さまざまなメリットがある一方で、価格が高かったり、複雑な加工が難しいといった側面があることも事実です。

 

クリ材以外にも、用途にマッチした最適な木材を相談しながら決めたい方や、木材の加工も含めてお願いしたいという方は、ぜひ一度フルタニランバーまでお問い合わせください。