地域材連携事業
「キノワホクリク」

石川・富山・福井の北陸3県の木材屋が連携し各県の木材活性化と新たな利用シーンを発掘・創造します。



日本の里山の今

森林に人間の生活(手)が加わり、伐採と還元を繰り返す「持続可能な環境」を、里山と呼びます。「豊かな自然」と言うと、人間の手から離れた印象を受けるかもしれませんが、里山は人間と自然が築き上げた絶妙なバランスの上に成り立っているのです。

ところが近年、日本国内の林業は衰退の一途を辿っています。林業だけで生計を立てるのは難しく、後継者不足も深刻化しているのが現状です。このまま山離れが進んで里山の管理が行き届かない状態が続くと、明るい林内を生息場所とする植物かが減り、食料を失った動物たちが人里に現れて田畑を荒らし、農業にも悪影響をもたらします。

長い年月をかけて人と自然が最適なバランスを築き上げてきた里山を守るためには、地域の木材利用を促進し、需要を増加させることで「林業を活性化」させる必要があります。キノワホクリクはこの里山を守ることを第一に考えています。地域同士が手を取り合うことで、この木の輪を全国へ広げていくことが目標です。

キノワホクリクとは

これまで県産木材の取組は県単体での事業が多いように思います。そこで私たちは他県の木材屋が手を取合い連携し木の輪を広げ、地域材活性化のために立ち上がりました。活用するのは3県の地域材で、主に各県木の石川県「能登ヒバ」、富山県「氷見スギ」、福井県「越前マツ」等です。北陸3県は全国的にも優良な「スギ」の産地としても知られており、木材活用の更なる普及を目指します。また、これまでにない業界とのコラボを通じて『新たな木材の利用シーン』を開拓し、山の課題や木の価値を多くの人々に伝えることも目的としています。その商品は消費者に身近な物にこだわります。

メンバー

 

福井県

1960年に初代水口長男が福井県足羽郡美山町(現福井市)に製材所を創業、1980年7月に水口木材株式会社を設立し、木材製材業・卸売業を事業として現在に至る。福井県内にヒノキを流通させたのが2代目の水口尊である。木材屋として持続可能な循環型社会の構築を目指し、2020年「SUMIKA PROJECT」を提案し、未利用バイオマス資源を社会に役立つ商品として開発し展開を考えている。

水口豪士

地球に自然体として古代から備わる「木・火・土・金・水」、一般的に五行と呼ばれているものがあります。しかし我々人間は我々の手で作り出す人工物に頼り、自然と共存する社会から孤立して生きているように思えます。少しでも地球に寄り添った生き方がしたい、自然と共存したいと願うことで、一歩ずつでも小さなアクションができればいいなと思っていました。当事業では、大地の恵みの中心にある「木」が、人間の生活の中に溶け込み、香り、感触、音などを通じて、我々の生活を豊かにしてくれると信じています。

石川県

1904年創業。世界中の木材を輸入から小売・加工までを行う木材問屋。主に建具材・家具材などの目に見える部分の木材を取り扱う。近年、木材業界に特化したシステム「treeflow」や改質水と抗火石を活用した乾燥技術「woodbe」など業界の効率化を図る新事業をリリース。また石川県木の能登ヒバを活用した楽器事業「ATENOTE」も展開中。

古谷隆明

なんで県産木材はその県だけの取組みが多いんだろう?なら木材同士で一緒に手を取り合って盛り上げていけないだろうか?それをまずは自分たちの地域からやろう。これがこの事業のスタートでした。業界団体で共に活動している御縁から岸田くん、水口くんに声をかけました。その後、定期的に集まって事業の会議を重ねています。これからあっと驚くような製品をリリースしたいと思っています!

富山県

1883年に土木建築寺社請負業創業、1953年に岸田木材株式会社を設立し木材製材業を事業として現在に至る。近年は地元富山の杉を「ひみ里山杉」と命名しブランド化を推進。木が生活に溶け込んでいる社会をどう構築できるかを模索中。

岸田真志

木っていいよね、温かいね、とよくいわれますが、その木がなんの木でどこの木なのか、衣類や食品では当たり前に気にするMade in〇〇が、こと木材では全く気にされていない状況に違和感を抱き、いろいろな取り組みをしています。身近なようで身近ではない地域の木をどのように生活に溶け込ませられるか、を日々考えて商品開発をしていきます。

キノワホクリクの木について

越前マツ

昭和41年9月に福井県の県木として指定された「松」、岩や砂地でもたくましく育つ強靭さや質実剛健さ、それでいて素朴な美しさや控えめな清楚さがあるところが福井の県民性の印象と重なり選ばれました。福井には日本三大松原と呼ばれる気比の松原があり、赤松と黒松が入り混じる景勝地があります。松は常緑の木で「若さ」を関連付けられるほか、「不老長寿」や「永遠」とも言われ縁起物・神宿る植物として正月や祭りごとに古くから人々に慣れ親しまれてきました。天女伝説にも松が登場するので、神秘的かつミステリアスな印象もあります。

 

能登ヒバ

石川県の県木である能登ヒバ(ヒノキ科アスナロ属アスナロ)は、能登地域では「アテ」と呼ばれ親しまれています。能登半島に広く造林されており、平成5年(1993年)から、木材の流通において「能登ヒバ」の呼称が使われるようになりました。独自の成分「ヒノキチオール」を多く含み、丈夫で耐水性に優れ、防腐・抗菌効果があることから建材に使われることが多いほか、輪島漆器の木地にも使用されてきました。独特の芳香があり、消臭に有効であるため、匂いを抽出した製品も多く存在します。

 

ひみ里山スギ

ボカ杉(通称:ひみ里山杉)は、加賀藩2代目藩主・前田利常のときに、京都から当時のエリート杉を移植し現在に至る杉です。当時の山村における産業振興策として “加賀七木の制”に制定された木のひとつです。ひみ里山杉は、強靭さと柔軟性を併せ持ち虫害に強く、電柱材や物流、漁業を支える造船用材として重宝されていました。富山県美術館やあいの風とやま鉄道観光列車の内装にも採用され、ピンクの色味の良さに加えて、あたたかく、ぬくもりのある繊細でしっとりとした感じの仕上がりとなっています。

 

プロダクト

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